本会主催「第64回千鳥ヶ淵戦争犠牲者慰霊法要」世界平和実現へ 貢献誓う
立正佼成会主催による「第64回千鳥ヶ淵戦争犠牲者慰霊法要」が9月23日、東京・千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で執り行われた。新型コロナウイルス感染防止のため会員は参集せず、教団役職者、東京教区の教会長らが参列した。
同墓苑は、戦時中に海外で亡くなり、身元不明などの理由で遺族の元に戻らなかった軍人や民間人の遺骨が埋葬された「無名戦没者の墓」で、令和4年7月19日現在、37万267柱が安置されている。同法要は、同墓苑が創建された昭和34年に庭野日敬開祖が始めたもの。以来、毎年秋の彼岸の中日に全ての戦争犠牲者に慰霊の誠を捧げ、世界平和への貢献を誓うものとして行われている。
当日は、千葉和男東京教区長を導師に読経供養が厳修され、庭野日鑛会長の回向文が奏上された。
回向文の中で庭野会長は、終戦から77年の間に、日本は経済的発展を遂げた一方、時間の経過とともに戦争の記憶が薄れつつあることへの危惧の念を表明した。その上で「この平和なときは、幾多の犠牲の上に成り立っていることを、私たちは決して忘れてはなりません」と強調。慰霊法要を通し、日本だけでなく世界全体の幸福に思いを馳(は)せ、「世界中の人々が自他のいのちを尊重し、それを人生観・世界観としていけるよう、世界の平和境建設の誓いを新たにさせていただきます」と示した。
この後、あいさつに立った千葉教区長は、戦争の犠牲となった人々も、現代を生きる人々と同様に、日本が平和な国であることを願っていたと力説。その上で、戦争に関する資料館や慰霊施設などを訪れ、戦争の歴史を学び、慰霊の誠を捧げるとともに、先人たちから託された平和への願いを受けとめることが大切と述べた。