庭野会長 「朔日参り(布薩の日)」式典で法話 菩薩の精神で世界平和の実現を

庭野会長は法話の中で、「普回向」に込められた仏の願いを会得し、世界平和実現に向けて行動する大切さを説いた

立正佼成会の「朔日(ついたち)参り(布薩=ふさつ=の日)」式典が8月1日、大聖堂(東京・杉並区)で行われ、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の様子は、インターネットを通じて全国の会員にライブ配信された。

式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた後、墨田教会主任(55)が体験説法に立った。主任は、結婚して20年以上、亭主関白な夫との関係に悩んだ過去を述懐。夫に叱責(しっせき)されるのを恐れ、自分の思いを抑え込むようになっていった経験を詳述した。

5年前に夫が、仕事上の問題で重い責任を負わされたが、主任は過去の経験もあって、落ち込む夫を素直に励ませずにいたことを支部長に相談。支部長の勧めもあり、主任は思い切って夫を教会の活動に誘うと、快く参加してくれた。これを機に会話を重ねていく中で、夫の厳しさは、家族を大切に思う強い気持ちの表れだったことに気づいたと発表。夫を一方的に悪者と決めつけていたことをサンゲし、「優しい人間になれるように導いてくれていたのは主人だった」と感謝の思いを述べた。

夫と温かい関係を築けるようになった今、家庭で教えを実践する大切さを示してくれたサンガ(教えの仲間)の有り難さをかみしめ、自身も主任として、たくさんの人を笑顔にする触れ合いができるよう、精進していきたいと誓願した。

続いて法話に立った庭野会長は、猛暑日が続く状況に触れ、日本の四季の豊かさを表す和歌を紹介した。中でも、道元禅師の「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」という歌は、季節ごとに「大自然の具(そな)えている本来の面目、本来のあるべき姿」を見いだしたもので、禅の精神が込められていると説示。こうした歌に学び、大自然のおかげで生かされていることに感謝しながら、自らの心も養っていくことが大切だと語った。

また、「願わくは此(こ)の功德を以(もっ)て 普(あまね)く一切に及ぼし 我等(われら)と衆生と 皆共に佛道を成(じょう)ぜん」という「普回向」から、法華経における菩薩の精神を明示。「功徳は、自分のためのものではなくて、世のため人のためのもの」という意味が込められているとし、普回向を心から唱え、世界平和の実現につなげていきたいと述べた。