新宗連青年会が平和学習会 アジア青年平和使節団の歴史と意義をかみしめる

新宗連青年会の大滝主管は、アジア青年平和使節団の歴史的背景や、その派遣に込められた先達の願いを解説した

『アジア青年平和使節団の歴史とこれから』をテーマに新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)の「アジア青年平和使節団 平和学習会プログラム」が2月19日、オンラインで開催された。加盟教団の会員信徒30人が参加した。

同青年会は、1974年に「東南アジア青年平和使節団(アジア懺悔行)」をアジア各地に派遣した。第二次世界大戦における日本の加害と被害の歴史を学び、全ての戦争犠牲者を追悼し、平和への祈りを捧げるためだ。以降も派遣を続け、慰霊を行ってきた。今回は新型コロナウイルス感染症の拡大により派遣を中止し、これまでの取り組みへの理解を深める学習会をオンラインで開催した。

当日は、宮本泰克新宗連青年会委員長(妙智會教団事務局長)のあいさつの後、「第1次東南アジア青年平和使節団」のドキュメンタリー映画『アジア懺悔行』(井上修監督)を配信した。参加者は、旧日本軍が連合国軍の捕虜や現地住民らに過酷な労働を強制して建設した「泰緬(たいめん)鉄道」と、その際、数万人の犠牲者が出た歴史を学習。タイ側現存最終地点であるナムトックを使節団のメンバーが訪れ、サンプラプーン(タイ式供養塔)を建立し、現地住民と慰霊供養を行う様子などを視聴し、和解や平和の尊さをかみしめた。

この後、大滝晃史新宗連青年会主管(新宗連事務局長)が講話。大滝主管は、かつて新宗連の平和学習会で講師を務めた識者から「日本は被害者意識が強く、日本人だけの慰霊にこだわっている。東南アジアの人々にとって、日本は加害者」と指摘され、これをきっかけに同使節団の派遣が始まったと説明。歴史と真摯(しんし)に向き合い、全ての戦争犠牲者を慰霊し、絶対非戦、世界平和の実現を誓った先達の思いを受けとめて次世代に継承することが重要と語った。

最後に、参加者は班ごとに分かれ、意見を交わした。