「英国の諸宗教指導者がCOP26に向けて声明文」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
英国の諸宗教指導者がCOP26に向けて声明文
10月31日から11月12日まで英国グラスゴーで行われる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向け、同国の諸宗教指導者は9月20日、「グラスゴーへ向けての諸宗教者による合同声明文」を発表した。
合同声明文には、英国のカトリック教会と、英国国教会、メソジスト教会などプロテスタント諸教会、イスラーム、ユダヤ教、仏教、ジャイナ教、ゾロアスター教の指導者たちが署名している。同22日、スコットランドのカトリック教会広報局がその内容を公表した。
声明文で諸宗教指導者たちは、「各国政府が、気候変動によってこうむる損失、破壊、強制疎開を防ぐために、緊急の行動を起こすこと」を要請。同時に、「われわれ諸宗教者も、教義的、政治的な違いを乗り越えて、皆で分かち合える生活を保障するための変革を実行し、未来世代を含む、あらゆる年代の人々、いかなる場所に住む人々に対しても希望を提供していく」との誓約を表明した。
その上で、「人間が地球を搾取したことによって、気候変動は起きた」とし、それによる「損失と破壊という重荷の大部分が貧者、特に女性や子供たちに大きな被害をもたらす」と指摘。グラスゴーで行われるCOP26は、気候変動の悪影響をとどめるための行動を速やかに起こす必要性を確認し、温室効果ガスの削減の国際的な取り決めであるパリ協定を達成するために行われ、「会議での決議が重要な意味を持つ」と訴えている。
さらに、この観点から、英国の諸宗教指導者たちは、「地球と人間相互の癒やし(ケア)について深く祈り、黙想し、礼拝する」ことを通して、自身の暮らしと信仰共同体における生活の改善を誓っている。政治、経済をはじめ各界で影響力を有する人々に対しては、「パリ協定の達成に向けて実践するようにと呼びかける正義の擁護者であること」を要望。正義にかなうために、「グリーン・エコノミー」(持続可能な発展のための経済のあり方)への移行を優先し、温室効果ガスの排出量をゼロとする未来のために、「科学に基づく政策」を訴えている。