庭野会長「布薩の日」式典で法話 父・母・子は「因・縁・果」の関係に
3月15日、立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が東京・杉並区の大聖堂で厳修され、庭野日鑛会長が法話を述べた。式典の映像はインターネットの動画共有サイトを使用し、会員限定でライブ配信された。
式典では庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、栗原佐知子豊島教会長が体験説法に立った。栗原教会長は、父親が二度の交通事故を起こして退職し、奔放な生活を送るようになり、苦しんだ母親が入会した経緯を説明。両親の離婚後、自身が高校生の時に父親が急死した際、サンガの温かな触れ合いにより、父親が家族と幸せになりたいと願って懸命に生きようとしていたことに気づき、憎しみが消えて感謝できた体験を発表した。
また、平成26年に本部に奉職後、「三つの実践」(朝のあいさつ・ハッキリ返事をする・履物をそろえる)を「例外なしに行う」大切さを学び、真剣に実践し続けた結果、気持ちが明るくなり、家庭が穏やかになった経験を披歴。現在、豊島教会でも皆で「三つの実践」に励んでいることを紹介し、思いやりの心を育む会員の姿を通じて学びを深めていると語った。
この後、法話に立った庭野会長は親子の関係について、夫婦の間に子が誕生すると同時に、夫婦は「父」「母」になるとし、父と母と子は“同時誕生”の関係にあると説明。それを縁起の教えに照らすと、「父・母・子」は「因・縁・果」の関係にあると述べた。
その上で、「人の生(しょう)を受くるは難(かた)く、やがて死すべきものの、いま生命(いのち)あるは有難(ありがた)し。正法(みのり)を耳にするは難く、諸仏(みほとけ)の世に出(い)づるも有難し」という『法句経』の一節を挙げ、いのちの尊さ、教えに出遇(であ)えた有り難さを教示。地球環境や宇宙を含めたあらゆる関係の中で、「いま私たちのいのちがある」と示し、「み教えのおかげさま」でそのことがより深く理解できると説いた。
さらに、釈尊の教えは、常に精進しなければ正しく受け取ることはできないといわれるほど深いものがあり、「精進、精進、死ぬまで精進、生まれ変わったらまた精進」と常に自分に言い聞かせて励むことを促した。