イスラエル出身でアラブ人のマーガレット・カラム氏がフォコラーレ運動の新会長に (海外通信・バチカン支局)
本会と親交のあるフォコラーレ運動(カトリック在家運動体、本部・ローマ)の新会長に、イスラエル・ハイファ出身のアラブ人で、カトリック指導者であるマーガレット・カラム氏(58)が選ばれ、2月1日に就任した。
1月24日から2月7日まで開催されたオンラインによる総会で会長選挙が行われ、出席した幹部の3分の2の票を得て選出された。同運動創設者のキアラ・ルービック初代会長、マリア・ボーチェ第二代会長(2期12年)に次ぐ第三代会長となる。
同運動は、聖書にある「愛による一致」の精神を構築するため、世界各国で活動を展開している。会長職に女性を選出することが規約で定められている。
カラム氏は、米国ロサンゼルスのヘブライ大学でヘブライ主義を学び、卒業後は同市や聖都エルサレムで同運動の活動に携わり、指導者となった。特にエルサレムではカトリック司教会議の諸宗教対話委員会、イスラエル諸宗教評議会(ICCI)などを通して、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム間の対話の促進に貢献。同地のイタリア総領事館で14年にわたり勤務した経歴も持つ。
またアラビア語、ヘブライ語、イタリア語、英語が堪能で、2013年には諸文化、諸宗教間の対話の促進に貢献したとして「シオン山賞」を受賞。14年からは、同運動の国際センターに籍を置き、イタリア、アルバニア両国でのフォコラーレ運動の活動に関する顧問として活躍した。16年には、キリスト教徒、ユダヤ教徒、ムスリム(イスラーム教徒)、またイスラエル人とパレスチナ人との間で対話を促進したことが評価され、「聖リタ国際賞」が授与された。
なお、同運動の総会では各国の支部から寄せられた3000を超える「活動提案」について審議された。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)