WCRP日本委平和研究所が声明『新型コロナウイルス禍を生きぬく慈しみの実践に向けて』を発表
世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会平和研究所は昨年12月18日、『新型コロナウイルス禍を生きぬく慈しみの実践に向けて』と題する声明を同日本委のウェブサイト上で発表した。
同ウイルスによる感染症は一昨年12月に中国・武漢市で初めて確認され、その後、各国に広がった。米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると1月11日現在、世界の感染者は9000万人を超え、死者は193万2948人に上る。
コロナ禍の中で同日本委は、社会的弱者を支援する団体へのマスク提供や、早期終息を願うオンラインでの祈りの集いなどを実施。医療・介護従事者の精神的ケアを目的に、在宅医や臨床宗教師らによってつくられた「感染症と闘う医療・介護従事者の話を聴く会」への支援などにも取り組んできた。
今回の声明は、気温や湿度の低下により感染症が流行しやすいとされる冬を迎え、感染が急速に拡大している現状を受け、人類全体で連帯を深めていくことを願って発表された。
冒頭、同感染症による死者の冥福を祈り、罹患(りかん)者の早期回復を願うとともに、感染症対策の最前線で奮闘する医療従事者に謝意を表した。
また、地球温暖化や海洋汚染など深刻な問題を抱える世界の現状に触れ、地球が「泣いている状態」にあると指摘。同ウイルス感染症の流行を、人間中心主義的な文明の発展に対する「厳しい警告」と受けとめ、「今後の人類と地球の未来を考え直す契機としたい」と見解を示した。一方、感染者とその家族への差別的な行為に対しては、「恐れるのはウイルスであって、人ではない」と注意を促した。
その上で、「多くの命を救う実践」として、自らは引き続きマスクの着用や手洗いといった感染予防対策に努め、マスクが入手できず、清潔な水やせっけんが確保できずに困難な生活を余儀なくされている人に対しては、慈しみの実践に取り組むことを表明した。
さらに、世界の将来は、一人ひとりの「現在の過ごし方に掛かっている」と強調。対面での宗教活動が難しい中で、インターネットなどのテクノロジーを活用してさまざまな人と触れ合い、ウイルスに対する正しい知見を養いながら、協力して「コロナ禍を乗り切りたい」と決意を表明している。
新型コロナウイルス禍に対するWCRP平和研究所の声明(WCRP/RfP日本委員会ウェブサイト)