東京西支教区「六花の会」による「仏教経営者塾」 コロナ禍での気づきなど発表

立正佼成会東京西支教区の「六花(りっか)の会」による「仏教経営者塾」が11月3日、オンラインで行われた。同会は仏教精神を生かした経営を目指す会員有志の全国的なネットワークで、教会や支教区単位で学びの場が持たれている。

当日は同支教区の経営者や個人事業主の会員約40人が参加。7グループに分かれ、新型コロナウイルスの感染拡大による事業への影響、コロナ禍においての気づきや今後の目標などを語り合った。

一つのグループでは、プラスチック原料の仕入販売業を夫婦で営む千代田中央教会の男性会員(66)が、コロナ禍の影響で受注が減り、売り上げが減少した現状を報告。「持続化給付金や家賃支援給付金といった政府の中小企業支援は、2008年のリーマンショック時に比べて充実しているように思う。これにより、事業は継続できている」と話した。

ただし、「先行きが見えない不安はリーマンショックの時と変わらない」と心境を明かし、毎日、朝夕の読経供養で心を落ち着かせ、受けた仕事の一つ一つに全力を注いでいると語った。

一方、妻のYさん(64)は不況の中で、「佼成」10月号に掲載された庭野日鑛会長の法話『心が変われば、生き方が変わる』にある「心が定まると、縁の受けとめ方が変わって、不都合な縁であっても生かしていくことができる」という一節に感銘を受けたと述懐。「従業員、取引先と自分が共に幸せになれる企業活動を」との創業の精神を思い起こし、難局を乗り越える決意ができたと発表した。

現在は中小企業への支援を受けられたことに感謝するとともに、「これまで利他の精神で経営を続けてきたからこそ、仏さまが私たちを応援してくれている」と捉えることで、前向きな気持ちで仕事に取り組めていると語った。

この後、各グループで語り合った内容を代表者が発表し、それぞれの経験や知恵を全員で分かち合った。