本会ロンドンセンターが開所 英国に布教・渉外の新拠点
英国での布教伝道のため、新たに「立正佼成会ロンドンセンター」が設置され、9月26日午前(現地時間)にロンドンの同センターで御本尊遷座式が行われた。センターは遷座式をもって開所となる。
現地では新型コロナウイルスの感染対策として7人以上の集まりが禁止されており、遷座式には6人が参集。齋藤高市国際伝道部部長は日本からウェブ会議システムを使ってあいさつした。同式の映像がライブ配信され、現地をはじめ各国の会員ら約180人が視聴した。
英国での布教は1994年、同国・オックスフォードに設けられていた国際自由宗教連盟(IARF)の国際事務局に本会から派遣された職員が、本会の英国駐在員を兼ねることで始まった。98年には「英国立正佼成会」として法人格を取得。2007年、同国際事務局が日本に移され、職員の帰国に伴って同国での拠点が会員によって運営されることになり、御本尊がロンドン近郊の会員宅へ遷座された。一方、英国では仏教への関心が高まっており、人口の多いロンドンに本格的な拠点を設けて仏教や本会の教えを広く伝えていく重要性や、会員が増えて法が世界に広まる可能性が指摘されていた。
これを受け、教団では、「第十二次教団運営計画」で示された「第三次国際伝道計画」に基づき、13年に開所したローマセンター(イタリア)とともに欧州での布教を推進し、渉外業務を担当する拠点としてロンドンセンターの設置を決定。今年1月に細谷恭一郎センター長が赴任した。当初、6月に開所式を行う予定だったが、同ウイルスの影響を踏まえ、遷座式をもって開所とすることに変更した。
ロンドンセンターは、ロンドン西部のイーリング地域に所在する。3階建ての家屋で、内部に、ご宝前の間、多目的室、事務室などを備える。
遷座式では、現地会員による除幕の儀、細谷センター長を導師に読経供養が行われ、ロンドン法座主任(67)が拠点の歴史を紹介した。続いて、かつて駐在員を務めた萩原透公練馬教会長がオンラインで、同じく和田惠久巳国際宗教協力専任部長がビデオメッセージで祝辞を寄せ、センターの役割と今後の発展に期待を寄せた。
この後、齋藤国際伝道部部長が日本からあいさつした。この中で、庭野日鑛会長が今年の本紙『年頭法話』で説いた「即是道場(そくぜどうじょう)」の精神を引用し、自分のいる所の全てが「道場」と自覚し精進する大切さを強調。「日常で起きる困難を、努力して乗り越えることで、人間として一歩ずつ成長できます」と話した。さらに、庭野光祥次代会長が法名を拝命した時に、目前の事に真心を込めて一所懸命に取り組む大切さを語ったことに触れ、「センターでの学びを生かして人をお救いし、世のためになることを精いっぱいさせて頂きましょう」と語り掛けた。
最後に細谷センター長が謝辞を述べた。
オンラインで式典に参加した男性会員(67)=ロンドン法座=は、「法華経と佼成会の教えが英国全土に広まると確信しています。コロナに負けず、み教えの尊さを出会う人に伝えていきたい」と語った。
(写真は全て、同センター提供)