核戦争は神に対する罪――WCCが核廃絶を訴えるサイト開設(海外通信・バチカン支局)
広島、長崎に原爆が投下されてから75年を迎え、世界教会協議会(WCC)はこのほど、核兵器廃絶を訴える特設サイトを開設し、その願いを訴える世界の人々の声を伝えている。同サイトには、被爆国である日本や核実験が行われて被害を受けた大洋州の国々のほか、核兵器保有国からも非核を訴える声が掲載され、今月から2カ月間にわたって投稿も可能になる。
WCCは1948年、オランダ・アムステルダムで開かれた設立のための世界大会で、「核兵器を使っての戦争は神に対する罪であると同時に、人類の堕落である」という宣言文を採択。以来、核兵器の廃絶を訴え続けている。
WCCは世界の人々の声を伝えるのに先立ち、6月15日に『広島、長崎への原爆投下から75周年――あなたの国は国連の核兵器禁止条約を批准しましたか』と題する記事を同ウェブサイトに掲載した。この中でWCCは、新型コロナウイルスの世界的な流行によって、世界が密接に結び付いていることが明らかになったと指摘。「一つの国や地域での生産活動中止が世界中に連鎖反応を起こすように、ある地域への核攻撃は世界中に影響を与える」と核兵器の脅威を伝えた。
また、(治療法が確立されていない)新型コロナウイルスと違い、人類は核攻撃を予防するための解決方法を知っていると強調。それは2017年に国連で採択された核兵器禁止条約であり、今年に入って世界中が同ウイルスの感染拡大に対処する中、ナミビア、ベリーズ、レソトが同条約を批准し、38カ国に達したと報告した(さらに7月7日にフィジーも批准)。
同条約の発効には、あと11カ国の批准が必要になる。WCCは「あなたの国は、もう核兵器禁止条約を批准しましたか?」と問い掛けを発しており、それは被爆国である日本も対象になっている。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)