台風19号などによる大雨で被害を受けた5県4市1町に緊急支援 立正佼成会一食平和基金から総額1850万円
立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会はこのほど、9月9日に上陸した台風15号と、10月12日から13日にかけて日本列島を通過した同19号、10月25日の同21号の接近に伴う大雨で被害を受けた東日本の各自治体のうち、千葉県や宮城県、福島県など5県と4市1町(11月12日時点)に、総額1850万円の緊急支援を決定した。これを受け、11月8日には、矢部光男茨城支教区長(水戸教会長)が水戸市庁舎や常陸大宮市役所、大子町役場を訪れ、見舞金や支援金を贈呈した。
11月13日の総務省消防庁の発表によると、台風19号と10月25日の大雨による死者は災害関連死を含めて96人、行方不明者は4人。被害を受けた住宅のうち、全壊2175棟、半壊1万1770棟、一部損壊1万3739棟に上る。家屋の浸水状況は、床上浸水が2万7153棟、床下浸水が3万2563棟となっている。長野県や茨城県など被害の大きかった地域では、仮設住宅や、民間住宅を借り上げる「みなし仮設」への入居が順次進められている。
8日午前、矢部光男茨城支教区長が水戸市庁舎を訪問し、高橋靖市長に面会。矢部支教区長は、会員が月に数回、食事を抜き、その食費分を献金する「一食を捧げる運動」の意義を紹介し、市長に見舞金100万円を手渡した。高橋市長は謝意を表明し、台風19号の影響で那珂川が氾濫して被害を受けた同市渡里町などの復旧状況を説明。現在は水害で使用できなくなった家電製品や畳などの災害ごみの処理を進め、生業(なりわい)に大きな影響を受けた住民への資金援助を急いでいると話した。今後は被災者への心のケアも考慮して復興に尽くす意向を示し、「市民の皆さまの生活再建に使わせて頂きます」と述べた。
同日午後、矢部支教区長は常陸大宮市役所を訪れ、綿引義久副市長に支援金50万円を届けた。綿引副市長は避難する市民の生活状況に触れながら、地域の復興に全力を挙げ、一刻も早い行方不明者の発見に努めたいと話した。
その後、同支教区長は大子町役場で赤津康明副町長に支援金50万円を贈呈した。赤津副町長は謝意を表し、久慈川の氾濫の影響で現在も一部が運休しているJR水郡線や、し尿処理施設の復旧に向けた進捗(しんちょく)状況を説明。一方、観光業の復活も課題に挙げ、「被災しなかった特産品の生産農家も多く、宿泊施設もほぼ営業しているので、ぜひご来訪を」と語った。
このほかの自治体に関しては、今後、包括する支教区長、教会長により、見舞金や支援金が届けられる予定だ。
支援先の自治体と支援額(円)は次の通り(11月12日時点)。
宮城県=300万/福島県=300万/栃木県=300万/千葉県=300万(台風15号の災害見舞金を含む)/埼玉県=150万/茨城・水戸市=100万/同常陸大宮市=50万/同大子町=50万/長野市=200万/長野・上田市=100万
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