インドでの光祥次代会長一行 シャンティ・アシュラムの取り組みに敬意
庭野光祥次代会長はじめ根本昌廣主席(時務部)、和田惠久巳総務部副部長(国際宗教協力専任部長)、青年ネットワークグループと家庭教育研究所のスタッフらによる立正佼成会の使節団が10月7日から11日まで、インド・タミルナードゥ州コインバトールのシャンティ・アシュラム本部などを訪れた(ニュース既報)。一行は、シャンティ・アシュラムのさまざまなプログラムを視察、青年との交流プログラムに出席したほか、寺院参拝、家庭訪問などを通して、諸宗教の信仰にも触れた。現地での交流の様子を紹介する。
シャンティ・アシュラムは創設から33年にわたり、識字教育や平和教育、開発、人権、環境、性差(ジェンダー)など多岐にわたる問題に草の根レベルで取り組んできた。現地では、多くの機関と協力しながら活動を展開し、25万もの人々の生活に影響を与えている。
本会一行が訪れたコインバトール市内のチャーバディプル村では、農村の女性の起業を支援するビジネスプログラムが行われていた。牛の牧畜やカフェの経営などのモデルを視察し、実際に女性たちが生き生きと生活する姿に触れた。また、パンチャイアット・ユニオン中学校では、家庭の経済状態を問わず、子供たちが、「自分のため」「家族のため」「社会のため」と三つの目的に分けて貯金する活動について説明を受けた。子供たちに支え合いの心を育む運動で、実際にその資金を活用し購入した学校機材の贈呈式にも立ち会った。
スリクリシュナ芸術科学大学では「青年との平和のための世代間対話」が行われた。この中では、13歳から18歳までの現地の青年男子が登壇し、性差についてパネルディスカッションを行った。コーディネーターも青年が務めた。家庭ではテレビのチャンネル権を父親が持っているという身近なことから、女性の大学進学に賛成が得られにくいことなど、これまでに感じてきた不平等について発表。シャンティ・アシュラムの青年プログラムで女性差別や人権について学んだことを両親に伝えた体験なども語られ、現状の変革のために、家庭や社会の中でどう実践するかについて話し合われた。光祥次代会長が登壇した「平和のための対話」のコーナーでは、インドの3歳から18歳の青少年からの率直な質問に光祥次代会長が丁寧に答えた。
一行はまた、3歳から5歳までの子供たちが学ぶ幼稚園「平和子供センター」を訪問した。「本当の子供の開発は、平和な子供を育てること」という理念に基づきシャンティ・アシュラムが運営する幼稚園で、創設には、シャンティ・アシュラムが経済的に厳しい時期に贈呈された、第12回庭野平和賞の賞金が活用されている。同園では、園児の親の協力も得て実施している教育、健康、栄養などに関するプログラムを見学。園児の自主性を尊重した触れ合い、母親たちの同園への積極的な関わりなども学んだ。
光祥次代会長は、多様性や格差の存在するインド社会の中で、人々の生活上の実際の課題に向き合い、それを少しでも改善していこうというエネルギーに満ちたシャンティ・アシュラムの活動に敬意を表し、「ただそれだけではなく、人々の心の中に、宗教的な豊かな心が育つようにということを、同時に一生懸命されている」とその深い意義を強調した。