庭野平和財団 日本人の宗教団体に対する世論調査 20年で「神棚はない」「仏壇はない」家庭が増加

庭野平和財団が記者会見を開き、日本人の宗教団体に対する世論調査の結果を発表した

公益財団法人・庭野平和財団(庭野浩士理事長)が実施した「日本人の宗教団体に対する関与・認知・評価に関する世論調査」の結果がまとまり、9月30日、同財団が京都市内のホテルで記者会見を開き、発表した。それによると、この20年間で神道(神社)や仏教(寺院)への信頼度が高まっている一方、個人の宗教的行為や宗教団体との関わりは薄れつつある状況が明らかになった。

國學院大學の石井教授

同調査は、1999年から5年ごとに実施され、2004年以降は宗教社会学を専門とする石井研士國學院大學教授が中心となって進めている。調査は今回も一般社団法人「中央調査社」に委託し、今年6月、20歳以上の男女4000人を対象に調査員による個別面接方式で実施され、1203人(30.1%)から有効回答を得た。

設問は神社や仏閣への参拝の頻度や宗教団体への信頼度などに関する13問。9月30日の記者会見に同席した石井教授が調査の結果を分析した。

20年前の調査と比べて顕著な変化が現れたのは、神棚・仏壇の保有率や宗教団体への信頼度。「神棚はない」と答えた人の割合が50%から62.3%に、「仏壇はない」が42.2%から50%にそれぞれ増えた。拝む頻度は「毎日」「時々」を合わせて、神棚が31.6%から21%に、仏壇が45%から38.8%にそれぞれ減少した。

※グラフはクリックして拡大できます(画像提供=庭野平和財団)

石井教授は、「都市部で一段と低くなっているが、実は町村でも減っていて、地方だから伝統的な文化が保持されているとは必ずしも言えなくなっている」と述べた。背景には人口の流動化などによる氏子や檀家(だんか)意識の低下もあると分析した。

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