本会一食平和基金運営委が共同する宮城県復興支援事業 町おこしの成果などを報告

参加者は、健康遊具が設置されているあおい地区の公園を視察した

立正佼成会一食(いちじき)平和基金運営委員会による「宮城県復興支援事業 復興まちづくり協議会等事務局ステップアップ助成」の報告交流会が2月4日、宮城・東松島市あおい地区西集会所で行われた。復興支援事業を共同運営する一般社団法人「みやぎ連携復興センター」をはじめ、助成先各団体の関係者、識者ら27人が出席した。同運営委からは、峯坂光重委員が参加した。

東日本大震災から5年が経ち、被災地域に暮らす住民の集団移転や、仮設住宅から復興公営住宅への移住などが進められている宮城県では、人々の暮らしや生活の拠点が大きく変わり始めている。移転先でのコミュニティーづくりに取り組む各団体事務局では、公的機関などによる支援の撤退によって、人材や運営費の不足に悩んでいる。

一食平和基金運営委は、各団体との連絡・調整に当たる「みやぎ連携復興センター」と協議し、事務局機能の継続的な強化が復興に不可欠との観点から、同県内の被災地で活動する住民組織やNPOなど7団体に合計293万5000円を助成した。この日、昨年4月から11月の助成期間に各団体が実施した事業の報告会が行われた。

席上、峯坂委員、木村正樹同センター代表理事のあいさつに続き、各団体が事業内容を発表。津波によって流失した防潮林の再生、コミュニティーづくりのためのサロン活動、中長期的なまちづくりビジョンの策定などの成果や課題が報告された。

この中で、NPO法人「ジョイフル網地島(あじしま)」の小野喜代男理事は、東日本大震災以後、人口流出に拍車がかかる宮城・石巻市の網地島で、新たな地域資源として取り組むオリーブ栽培について報告。兵庫・南あわじ市にある沼島(ぬしま)の先行事例の視察のほか、オリーブ栽培の試験実施、県や市との連携など、町おこし事業の取り組みを発表した。「石巻市は東北の中では日照時間が長く、オリーブの栽培が可能な地域とされています。『北限のオリーブ』をキャッチフレーズに、今後は栽培の産業化を視野に入れ、島民の理解と協力を得ながら、後継者育成や観光客誘致に向けて取り組んでいきたい」と語った。

続いて、助成団体の交流を目的に「円陣会議」が行われ、運営を続けていく上での悩みや財源確保の工夫、モチベーションの維持など、意見が活発に交わされた後、助成団体の一つである「あおい地区会」の案内によって、会場となった同地区を視察した。

一食を捧げる運動

月に数回食事を抜く、あるいはコーヒーなどの嗜好品を控えて、その食費分を献金して国内外の諸課題に役立てる運動。
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