バチカンで第2回「行動の倫理」会議
ローマ教皇庁科学アカデミー、同社会科学アカデミー、世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)国際委員会による第2回「持続可能で不可欠な開発に向けた行動の倫理」会議(通称=「行動の倫理」会議)が2月2、3の両日、バチカン市国の庭園内にある「ピオ四世のカッシーナ」で行われた。今回のテーマは『平和』。同科学アカデミー会長のマルチェロ・サンチェス・ソロンド司教をはじめとする諸宗教者、国連事務総長特別顧問のジェフリー・サックス博士ら経済学者、研究者など約40人が参加した。立正佼成会から、WCRP/RfP国際共同議長の一人として庭野光祥次代会長が出席した。
「行動の倫理」会議は、ローマ教皇フランシスコの回勅「ラウダート・シ」を受け、「気候変動」「貧困」「移民」「暴力」など8項目の世界的な課題に対し、さまざまな分野のリーダーの連携を図り、国際的な活動を推進することが目的。昨年10月、『持続可能で不可欠な開発に向けた行動の倫理』をテーマに第1回会議が開かれた。2年間に計8回開催される予定で、WCRP/RfP国際委が会議の運営、資金面で協力する。
光祥次代会長は2日、『平和の人類学的および道徳的基盤 “真理のうちを歩むこと”と自由の重要さ』と題した会合で、仏教徒の立場から発言した。この中で、平和を脅かす根本原因は他者への不信感や恐れ、優越感、競争心と指摘した上で、周囲から迫害されても仏性礼拝(らいはい)行に徹した常不軽菩薩の実践行を紹介。「常不軽菩薩に倣い、宗教者が行動に対する信念を持つことで、恐れと不安によって分断されている世界に生きる多くの人を手助けできると信じています」と語った。
このほか、2日間の会議では、紛争や貧困の解決、核兵器廃絶といった現代社会の主要課題を論議。平和構築に向け、宗教や科学、経済などの視点から意見が交わされた。
(後日詳報)