学林公開シンポジウム『立正佼成会創立100周年を考える』 バーカー学長を迎えて
『立正佼成会創立100周年を考える――ミードビル・ロンバード神学大学院リー・バーカー学長を迎えて』をテーマに、立正佼成会の教育機関「学林」が主催する公開シンポジウムが2月14日、佼成図書館視聴覚ホール(東京・杉並区)で開催された。学林生、本部職員など約80人が参加した。
米国・シカゴにあるミードビル・ロンバード神学大学院は、ユニテリアン・ユニバーサリスト協会(UUA、本部=米国・ボストン)の教育機関で、本会ともつながりが深い。今回のシンポジウムは、本会創立100年に向け、175年の歴史を持つ同大学院の経験に学び、今後の本会の役割を考えるもの。
シンポジウムでは、庭野統弘学林学長のあいさつに続き、バーカー学長が基調発題を行った。バーカー学長は、テクノロジーの進歩に伴い、人々がインターネットによって宗教の知識や具体的な実践法を学び、癒やしや精神的な支えを得ている現状を説明。同大学院でのオンライン授業にも触れながら、人生を豊かに生きるための価値観を宗教教団がインターネットによって発信していく可能性について語った。
また、「悟りはご縁の中にある」という庭野日敬開祖の言葉を紹介し、相手を思いやり、他者に尽くすという人間の関係性の中に「神」も見いだされると強調。「出会いの中でそれぞれが最善な宗教者であろうとする姿勢が大切」と述べた。
これを受け、ウィリアム・シュルツ同大学院教授(UUA元会長)、パメラ・ライトシー同大学院副学長、庭野学長、篠原祥哲・世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会総務部長の4人が発言。バーカー学長を交えて議論を深めた。
この中で、本会への提言として、変化を恐れず他宗教や異文化との交流を続けること、慈悲の行いによる貢献を一層深めることなどが挙げられた。
この後、参加者を含めてディスカッションが行われた。
これに先立つ13日には、青梅練成道場で同大学院の一行と学林生との交流が行われた。学林本科生の体験説法に続いてディスカッションが行われ、宗教離れが進む日米両国の状況や、宗教という名のもと、人種差別や他宗教の排斥を訴える人々との信頼関係構築などについて議論された。