熊本市で新宗連「全国総会」 国際情勢や環境問題に対する宗教者の社会貢献などを検討
新日本宗教団体連合会(新宗連)の平成30年度「全国総会」が10月16、17の両日、熊本市のホテルで開催された。
理事17人に加え、評議員、各総支部の会長、同事務局長、オブザーバーら含め66人が参加。立正佼成会から庭野日鑛会長(新宗連顧問)、川端健之理事長(同常務理事)、中村憲一郎常務理事(同会計委員長)をはじめ、各総支部の役員を務める教会長らが出席した。
16日、「第30期第2回理事会」では、議長を務める岡田光央新宗連理事長(崇教眞光三代教え主)があいさつ。次に、新宗連本部、各委員会・機関の事業報告が行われた。この中で、「平成30年7月豪雨」に伴い、加盟教団から寄せられた国際救援金の執行状況として、認定NPO法人「AMDA」(本部・岡山市)、岡山県にボランティアバスを派遣する「被災地NGO恊働センター」にそれぞれ100万円を寄託したことなどが示された。また、今後の活用方針案、新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)と世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会による災害ボランティアチーム「VOWS(Volunteer of WCRP & SYL)」の広島・三原市、愛媛・西予(せいよ)市での救援活動などが報告された。
続く審議では、「平成31年度事業計画大綱」(案)が検討された。この中で、重点課題として、日本国憲法の三大原則など自由な宗教活動を支えている憲法各条文の改正問題に目を向け、対応を図っていくほか、「いのちを尊ぶ世界」の実現に向け、緊迫する国際情勢や地球環境汚染問題を注視し、社会貢献活動について検討を進めていくことを決定した。さらに、平成28年の新宗連結成65周年を機に、新たに加えられたスローガン『信仰心を広めよう』の実践として、同年9月から全3回にわたり行われた教化活動懇談会の成果と今後の展開について議論した。
この後、「全国総支部会議」が行われた。
翌17日、参加者は同28年の熊本地震によって被害を受けた熊本城を訪れ、崩れた城壁や再建中の天守閣を見学。熊本護国神社に正式参拝後、同神社の顕彰館で行われた『平成二十八年熊本地震の体験と復興・復旧』と題した熊本県神社庁の宮崎國忠庁長(志岐八幡宮宮司)の講演に耳を傾けた。
宮崎庁長は同地震の本震発生後、余震が続く中で同神社境内にテントを設営し、県内の神社の状況把握に努めたことを詳述。加えて、傾いた社殿や、手水舎(ちょうずや)に用いる地下水の枯渇といった県内の神社の被害状況、現在進めている復旧の取り組みを、写真を用いて報告した。