立正佼成会 庭野日鑛会長 9月の法話から
9月に行われた大聖堂での式典から、庭野日鑛会長の法話を抜粋してまとめました。(文責在編集部)
元気に過ごす秘訣
今年は大変暑い夏でしたし、豪雨もありました。そうした中で、私たちは生きる心構えを忘れないで、日々を元気に過ごしたいものです。
私たちは、自分で生きているというより、水も空気も太陽など、大自然のおかげさまで生かされています。そうした水、空気、太陽といった大きな力に感謝をする、大自然に畏敬の念を持つということが大切で、そういう人間の心構えを具(そな)えることによって、私たちは感謝の中で元気な一生を過ごすことができるのだと思います。そういう意味では、宗教は私たちの生きる心構えをつくるものです。
そして、健康に生きる上で大事な心構えが三つあるといわれています。いつも喜びの心を持つこと。また、絶えず感謝の心を持つこと。さらに、常に陰ながら善いことをする、つまり「陰徳を積む」ことです。この三つの心構えを忘れないで実践することが、人生を元気に生きていく秘訣(ひけつ)であるといわれています。皆さんと共にこうした、しっかり生きる心構えを持ち、精進させて頂きたいと思っています。
(9月4日)
仏教は自覚が要
私たちが所依の経典とする法華経によると、人間には、四つの類型の人たちがいるということです。
一番目には、「衆生(しゅじょう)」とか「凡夫(ぼんぷ)」といわれている人たち。仏さまの教えを知らない、知ろうともしない人たちでしょうか。二番目には、「声聞(しょうもん)」「縁覚(えんがく)」といわれる人たち。三番目には「迹化(しゃっけ)の菩薩」。四番目には、「本化(ほんげ)の菩薩」です。
そして、「衆生・凡夫」「声聞・縁覚」「迹化の菩薩」から、もう一段上って、みんなが本化の菩薩になることを期待しているのが、法華経です。
皆さまもご承知のように、「迹化の菩薩」とは、歴史上の釈尊は尊敬するけれども、それを媒介として本仏を見るまでに至っていない人のことです。しかし、そうした人たちも、歴史上の釈尊が説かれた教えには、巡り合っているのですから、大変有り難いことです。
さらに「本化の菩薩」とは、歴史上の釈尊を通して、本仏を見る目の具わった人のことを言います。ですから、「迹化」とか、「本化」とか、そういうことは結局、各人の仏さまの教えの受け取り方、自覚の問題と言うことができるのです。
(9月15日)