ホタルの光を復興の象徴に 明社が「南三陸町ホタル再生プロジェクト」

南三陸町内にあるゲンジボタルの生息地

宮城・南三陸町の西戸地区で行われている、明るい社会づくり運動仙台地区推進協議会(仙台明社)、上尾明るい社会づくりの会(上尾明社=埼玉県)、立正佼成会が協力団体として関わるNPO法人「明るい社会づくり運動」(全国明社)の協働による「南三陸町ホタル再生プロジェクト」が3年目を迎えた。6月23日には、仙台明社、上尾明社のメンバーら23人が集い、近隣の生息地で数匹のゲンジボタルを採集。繁殖を願い、「育成ハウス」に移植した。

この取り組みは、2010年の集中豪雨と翌年に発生した東日本大震災によって壊滅したかつてのホタルの生息地をよみがえらせるため、16年に5カ年計画としてスタートしたもの。初夏の夜に舞うホタルの光に、震災犠牲者への鎮魂の祈りを込め、被災地復興の一つの象徴にと行われている。

ホタルの生態に詳しい上尾明社の中山さん

きっかけは、上尾明社による東日本大震災後の被災地支援活動だった。仙台明社の受け入れで、震災発生の翌年7月から年数回、西戸地区の住民が暮らす切曾木仮設団地で茶話会を実施し、傾聴ボランティアとして住民の話に耳を傾けた。この中で一昨年、上尾明社の中山時次副会長(67)が、仮設住宅の自治会長を務めていた阿部壽男さん(77)から、「この辺りでもホタルが舞い、光の粒が渦を巻くような光景を見たことがある」と昔を懐かしむ声を聞いたことで話が進んだのだ。