第35回IARF世界大会の事前学習会 『宗教右派の40年と今後の展望』をテーマに
米国のジョージ・ワシントン大学で7月29日から8月1日まで開催される「第35回国際自由宗教連(IARF)世界大会」の事前学習会が6月9日、立正佼成会の大聖ホール(東京・杉並区)で行われ、本会を含む6団体から26人が参加した。
第35回大会は、IARFに加盟するユニテリアン・ユニバーサリスト協会(UUA)を中心に米国の宗教団体などが共催する。大会の共催は今回が初めて。IARF総会の席上で次期役員、国際評議員が選出される。本会からは、澤田晃成総務部部長、齋藤高市国際伝道部部長はじめニューヨーク教会会員らで構成する使節団が派遣される。
事前学習会では、成城大学の平井康大教授が講演。『宗教右派の40年と今後の展望』をテーマに、宗教と密接に関係するアメリカ政治の歴史を解説した。
この中で平井氏は、宗教右派とは、宗教的な価値観を政治の世界で実現させるために政治家に働き掛ける勢力と説明。人工妊娠中絶の反対や政府による「伝統的家族」の推進を唱える一方で、80年代には軍事費の拡大や反共運動の支援、均一税率の導入を要求するなど、原理主義的な主張と経済を重視する新自由主義が混在していたと解説した。
また、宗教右派が生まれた背景には、1960年代、既存の価値観を覆すカウンターカルチャー運動が活発化し、これに対する揺り戻しがあったと指摘。活動家の多くが30年代から40年代生まれで、現在は世代交代の時期にあることから、宗教右派の運動は今後変質していくだろうと述べた。