WCRP/RfP日本委が東日本大震災慰霊祭 福島・浪江町の大平山霊園で

震災発生時刻の午後2時46分に合わせて黙とうを捧げ、犠牲者の鎮魂と被災地の早期復興を祈念した

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会による「東日本大震災の追悼と鎮魂ならびに復興合同祈願式」が3月14日、東京電力福島第一原子力発電所から6キロのところにある福島・浪江町の大平山霊園で行われた。同日本委に加盟する9教団から60人が参加。立正佼成会からは同委理事の中村憲一郎常務理事、震災復興タスクフォースメンバーの熊野隆規時務部部長、原町教会の久保木伸浩教会長、同教会会員らが参加した。

昨年3月に建立された慰霊碑前で行われた祈願式では冒頭、同委理事で同タスクフォース責任者の黒住宗道・黒住教教主が開式あいさつ。震災発生の翌年から毎年3月に岩手、宮城、福島の各県で祈願式を実施してきた経緯を紹介した。さらに、制限区域が徐々に解除され、復興への歩みが着実に進む一方、被災者の悩みや苦しみが深刻化、複雑化していると指摘。「先の見えない状況ではありますが、復興の願いがかないますよう、心からお祈りいたします」と述べた。

次いで、宗教宗派別の祈りが行われ、地震が発生した午後2時46分に全員で黙とうを捧げた。

この後、地元関係者を代表して浪江町権現堂地区行政区長の佐藤秀三氏があいさつに立った。佐藤氏は、津波により182人が犠牲となり、今なお31人が行方不明である現状を説明。復興祈願式の開催に謝意を表した上で、「皆さんのお心に報いるためには、被災した私たちが復興に向けて歩みを続けることが一番です。浪江町は必ず復興します」と決意を述べた。

被災地域で見つかった“思い出の品”が展示された「双葉ギフト」を見学する参加者

なお、当日は祈願式に先立ち、昨年3月末に避難指示解除準備区域の指定が解除された同町請戸地区を視察。さらに、震災前まで商業施設として利用され、現在は被災地域で見つかった写真やおもちゃ、日用品などの“思い出の品”約1万5000点を展示する「双葉ギフト」を見学した。