UAE・アブダビ首長国の教育・知識庁長官が本会を訪問 光祥次代会長と懇談
宗教的過激主義に関する意見交換のため、外務省の招聘(しょうへい)で来日していたアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国のアリー・アル・ヌアイミー教育・知識庁長官が3月15日、立正佼成会本部(東京・杉並区)を訪問し、法輪閣で庭野光祥次代会長と懇談した。懇談は同国駐日大使館の要請に応じて行われたもの。本会から、中村憲一郎常務理事、澤田晃成総務部部長、根本昌廣時務部主席が同席した。
ヌアイミー長官は、同国でムスリム(イスラーム教徒)長老評議会の事務総長も務めている。懇談では、ムスリムが多数派を占める国で宗教的少数者の権利を保障するため、2年前に諸宗教者による国際会議を催したことを紹介した。
また、宗教の名を借りた過激主義が世界に蔓延(まんえん)しないよう、同国では、教育による働き掛けを重視していると強調。そのために、約1万6000人の生徒が公立学校に通うアブダビ市には、若者の心に寛容さ、共生の大切さを培う目的で、現在、中東以外の国や地域出身の教諭約4000人を配置しているとし、学校教育を通して文化や習慣の違いを尊重し、生徒同士が信頼を育む取り組みを進めていると語った。その上で、ヌアイミー長官は、同国には、さまざまな国籍、民族、宗教の市民が暮らしているとし、「私たちにとって、多様性は決して脅威ではなく、むしろ強さの根源」と述べた。
これを受け、光祥次代会長は、対話がもたらす効果について言及。「諸宗教対話によって、自らの信仰心が薄れるのではないかと心配される方もいると伺いますが、本当はそうではありません。他者と触れ合う中で、自らの信仰心や誇りが強くなり、同時に、他者への理解が深まるのだと思います」と話した。また、国際会議などに仏教徒を代表して出席する際、キリスト教、イスラームといった諸宗教の教えを含めて「宗教の素晴らしさを証明できるような役割を果たしていきたい」との思いで臨んでいると語った。