WCRP/RfP日本委 「フクシマコミュニティづくりプロジェクトの集い」を開催

講演に立つ宮城大学事業構想学群准教授の佐々木氏

世界宗教者平和会議(WCRP/RfP)日本委員会は9月26日、福島・郡山市の「ビッグパレットふくしま」で、「フクシマコミュニティづくりプロジェクトの集い」を開催した。また、この日、フクシマコミュニティづくり支援プロジェクトの2017年度第2期支援先が発表された。

WCRP/RfP日本委は14年から、東日本大震災の復興支援事業の一環として「フクシマコミュニティづくり支援プロジェクト」を実施し、福島県に関わるコミュニティーの創出、再生、活性化に取り組む団体を支援している。これまでに延べ151団体に約3000万円を寄託し、活動に協力してきた。同集いは、これまでに支援を受けた団体などがそれぞれの活動を報告するとともに、情報を交換して団体同士の連携を深めることが目的。当日は、45団体から約80人が参加した。

集いでは、宮城大学事業構想学群准教授の佐々木秀之氏が『コミュニティ主体のまちづくりと地域事業』をテーマに講演に立った。佐々木氏は、英国のレッチワース田園都市を例に、政府や自治体が主導する「統治型」の都市計画が進む一方で、人口増加に伴う住環境の悪化といった都市問題が生じ、結果、問題解決を図る市民団体などの存在が不可欠になったと指摘。近年は、住民やNGOが行政と共に町づくりに関わる「協治型」が世界的な潮流になっていることを紹介し、「町の魅力を引き出すために、今ある地域の資源に価値を見いだすことが大切」と強調した。その上で、福島県をはじめとした被災地の復興にも、多様な価値観を持つ市民による参画が、町づくりに大きな役割を果たすと述べた。

続いて、農作業を通じた避難者家族と地域住民家族との交流を促す市民団体など3組織の代表者による活動報告が行われた。

この後、参加者は『仮設・復興住宅における住民同士の支えあい』『帰還後の生活再建に向けて』『子供や障害者・高齢者のたすけあい、寄り添い』『放射能問題との向き合い』『祭り・芸能によるこころの繋(つな)がり』の五つのテーマに分かれ、情報交換会を行った。各グループでは、被災地支援に携わるボランティアの減少や、高齢化に伴う今後の事業の継続に対する不安など、それぞれが直面する課題について討議。若年層を巻き込んだ支援のあり方などについて意見が交わされた。

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