<Focus>自己中心的な考え方から、人々の幸せを願える自分に 本会バンコク教会のプリムさん(69歳)

タイ語に翻訳された『法華三部経』を手に持つプリムさん。「とにかく読んでみて!」と目を輝かせる

長年にわたるサンガ(教えの仲間)の布教伝道によって世界中に教えの種がまかれ、現在、立正佼成会は17の国と地域に55の海外拠点を構える。教えを求め、本会に巡り合った海外会員の喜びや感動の声を紹介する。

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2010年3月、尊敬する年上の友人に連れられ、私は初めてタイのバンコク教会を訪れました。その時、長谷川泰弘教会長さん(当時)から、全ての物事に感謝するという心の持ち方をはじめ、佼成会の親孝行や先祖供養、菩薩行の実践を大切にする開祖さまの教えを学び、家庭や職場など日々の生活の中で生かせる行いに心を動かされました。教えの実践が喜びにつながることを自分でも味わってみたい――そう思い、入会を決めました。

会員になった初日から欠かさず実践しているのは、感謝の言葉を伝えることです。目標は一日に100回。家族はもちろん、経営する美容室に長年通うお客様にも笑顔で「ありがとう」と伝えています。また、人だけでなく、起床時には布団や枕、外出時には目的地まで安全に運んでくれるバスなど、日常生活を支えてくれるさまざまなものにも目を向けることで、毎日のように目標を達成できています。

教えに出遇(であ)う前の私は、“自分が正しい”と思い込んでいました。13歳から美容室で働き、店での売り上げを伸ばしていたので、上司や同僚にいつも褒められ、自己中心的な言動を見過ごしてもらっていたのです。

しかし、法華経を学び、自分の行いを振り返ることで見えてきたのは、対立した時などに相手を一方的に責めてしまう自分の姿でした。〈今までの良くない態度は相手も自分も苦しめていた〉と気づいた私は、その都度言動を見つめ直し、攻撃的な振る舞いを減らすよう心がけました。さらに、一層気持ちを込めて感謝を伝えることで、あらゆる人や物に支えられていることを本当に実感でき、自然と心が平安になっていきました。今までの私をよく知る人には、「話し方も表情も明るくなって別人みたい」と驚かれます。私自身も、周囲の人と善い縁を結びたい、触れ合う相手の心を穏やかにしたいと考えるようになるなんて思ってもみなかったです。

ある日、友人が親戚との関係に悩んでいると打ち明けてくれました。それから5日ほど同じ話が続きましたが、私が心に寄り添おうという気持ちで耳を傾けていると、友人の表情に曇りがなくなっていくのが分かりました。今が伝えるタイミングかもしれないと思い、「自分自身の感情や考え方から苦しみが起きるから、まずは自分の感情を知って受け入れることが大切。その上で、自分の言動を振り返って、相手に変化を求めるのではなく、率先して思いやりのある触れ合いをしてみてはどうでしょうか」と言葉をかけると、友人は力強くうなずき、すぐに行動に移しました。その後、親戚と良い関係を築けていると喜んでいたので、共に成長できたことを私もうれしく思いました。

バンコク教会道場でサンガと読経供養する様子(バンコク教会提供)

昨年5月から、タイ語に翻訳された『法華三部経』の読誦(どくじゅ)を始めました。少しずつでも読んでほしいという開祖さまの願いを、萩原透公教会長さんに教えて頂いたのがきっかけです。昨年末までに7回通読する中で、特に胸に響いたのは、「我常(われつね)に此(ここ)に住(じゅう)すれども 諸(もろもろ)の神通力(じんづうりき)を以(もっ)て 顚倒(てんどう)の衆生(しゅじょう)をして 近(ちか)しと雖(いえど)も而(しか)も見(み)ざらしむ」という「如来寿量品第十六」の一節です。〈仏さまは常に私を護(まも)り、助けてくださっている〉と安心でき、精進し続ける決意が強まりました。全巻を読み切るのは大変ですが、教えの理解が深まっていく有り難さや、言葉に言い表せない喜びを感じられることが励みになっています。

私の一番の願いは、迷いや苦しみを抱える人々に法華三部経を読んでもらうことです。苦を直接的に解決できるかは分かりませんが、必ず何か心に湧いてくるものがあると信じています。これからも、私の経験した喜びを伝えながら信仰の素晴らしさを広め、触れ合う人々の幸せを願って行動していきます。