一食運動50周年記念 聖エジディオ共同体 来日特別企画を開催
14日の交流会から
対話を通し、一食の意義を実感

メッセージカードに感激するサンガレ氏(左)とムクワパタ氏(Zoomの画面から)
「心つながる」交流会では、『青年インタビュワーがマラウイの方々に聞く!』と題し、対話の時間が持たれた。参加者を代表して江戸川教会青年男子部長(37)と福井教会青年部員(22)が行ったインタビューの一部を紹介する。(文中敬称略)
――看護大学生として、お二人の話から自分にできることは何かと考えています。お二人が患者さんからかけられた言葉で、ご自身の活動に影響を受けたものはありますか
ムクワパタ アクティビストの仕事で重要なことは、受診を逃した患者さんに再来院してもらうことです。その人の家を訪問して、治療の重要さを説明し、来院して頂きます。言葉というより、治療を受けて健康を取り戻す姿が活力です。
――「大変だけれど、活動していて良かった」と思う瞬間はどんな時ですか
サンガレ 聖エジディオ共同体は信仰を基盤としたカトリックの団体なので、神さまへの祈りを大切にしています。一人では歩けない、スプーン1杯の薬も飲めないような患者さんに接した時は、「この人を救ってください」と神さまに祈りながらも自分ができる医師としての役割、適切な治療を施します。患者さんのことが気になって眠れない時もあります。喜びも悲しみもある現実の中で、患者さんが元気になっている様子を見ると大きな喜びを頂きます。
――支援活動における理想は
サンガレ 私たちが目指すものは、HIV/エイズだけでなく、エイズに関連するあらゆる病気を、1カ所で総合的に診療し、治療することです。病気によって病院を指定されると、交通費の問題で治療を継続できなくなる患者さんがいるからです。
全ての人に平等に、質の高い医療を提供するために、聖エジディオ共同体は無料診療を大切にしています。スタッフや医師は毎日、無料診療の患者さんに心から向き合っています。それを継続するために、佼成会の皆さまをはじめパートナーの方々からの支援が重要だと感じています。
――活動を続けていると、使命感を持っていても不条理だと感じる場面もあると思います。そんな時、どのような心で、どのように行動していますか
サンガレ 理不尽だと思うことはよくあります。医師が治療方法を伝えても、患者さんやご家族に分かってもらえないことがあるのです。例えば、今は体が弱っているので回復させてから薬を飲まないといけないと丁寧に説明しても分かってもらえなかったり、2日ぐらい薬を飲んで「効果が出ないから無駄ではないか」と言われたりすることもあります。その時は、アクティビストに関わってもらうなど、チームで取り組みます。
また、最善を尽くしていますが、マラウイ全土の患者さんを「HIV/エイズ事業」で診療することはできないので、なぜ助けてくれないのか、区別しているのではないかと言われることもあります。限界を感じながら、全ての人とつながり、助けたいという思いと葛藤する日々です。
ムクワパタ アクティビストの活動で困難を感じるのは、患者さんが預言者(占い師のような存在)に「薬を飲むのを止(や)めて、祈りなさい」と言われ、本当に薬を飲むのを止めて、体調を崩してしまうことです。祈りは大切だけれど薬を飲むのを止めないでと、同じ体験をした者として伝えています。患者さんは、医師には心情は話せないけれど、アクティビストになら話してくださいます。患者さんたちの心配事や不安に対して、「私たちも昔はそうだった」と経験を伝え、薬を飲む手伝いをし、共に前に進めるよう触れ合っています。





