「第2回ミャンマーにおける国内和解と平和的繁栄のためのRfPアドバイザリー・フォーラム」での光祥次代会長のスピーチ
その一つがRfPシエラレオネ女性宗教者ネットワークです。天然資源をめぐって政府と反政府勢力が内戦状態にあった1997年に設立されたRfPシエラレオネと共に、女性宗教者ネットワークが和解と平和構築のために活動しました。貧困と不十分な教育のために、社会的地位が低かった女性たちには、政策決定に参加する権利がありませんでした。しかし、それにもかかわらず、次のような貢献をすることができたのです。
女性宗教者ネットワークは、全く武装していなかったので、すべての当事者から信頼を得ることができました。彼女たちは、奥地にいる反政府勢力に会いに行くこともでき、誘拐された50人の子供たちを取り戻すことができました。反政府勢力との和平交渉に参画する権限、つまり平和の使者として活動する権限が与えられ、反政府勢力と政府間の和平に向けた話し合いの場を提供することに成功しました。
このように女性の果たす役割はますます重要になっています。これは単にジェンダーバランスや礼節、政治的な公正さを示すためでなく、女性がもたらす智慧(ちえ)を、世界が真に必要としているからこそ重要なのです。
2016年4月にはRfPミャンマーのメンバーを中心とした諸宗教の代表10人が来日されました。日本の諸宗教指導者や政治指導者、市民社会の代表との交流・対話を通して、お互いの国についての理解が深まり、ミャンマーと日本とのパートナーシップが促進されました。私も会合に同席させていただきましたが、宗教の違いや困難を乗り越え、国の未来を共に考え、共に教育のために協力していこうとされる姿にとても感銘を受けました。
アジアの中にはお米を主食とする国が多くあり、ミャンマーも、そして日本もお米をいただく国です。稲を育てるとき、私たちは田んぼに籾種(もみだね)を直接蒔(ま)くのではなく、はじめに苗代で苗を育てます。苗代で発芽したばかりの小さな命を育てるからこそ、田んぼに植え替えたときに、立派に成長し、豊かな実りをもたらすのです。私たちは、私たちの周りに次世代が育つたくさんの苗代をつくらなければなりません。世界に出たときに、平和のために真に貢献できる、豊かな実りをもたらす若者を育てる苗代です。
これまでの皆さまの真摯(しんし)な活動によって、私たちの共通の未来に向けた新たな一歩が踏み出されたことを心から讃(たた)えますとともに、これからもこの美しい国ミャンマーに暮らすすべての人々の幸せのために、RfPグローバルファミリーが皆さまと共にあり、心を寄せ続けてまいりますことをお伝えし、私の発表とさせていただきます。
※カッコ内は編集部