知っていますか 私たちの暮らしと憲法が深くつながっていること(1)
カフェの雰囲気で、“気軽に”憲法を語り合う
憲法改正に前向きな国会議員が衆参両議院で3分の2を超え、「改正」が現実味を帯びている。こうした中、多くの人に憲法の意義や日本国憲法の理念を知ってもらうため、「明日の自由を守る若手弁護士の会」(あすわか)では各地で「憲法カフェ」を開催している。立正佼成会でも昨年、全国115会場で行われた。昨年末には、「あすわか」の協力を得て職員対象の学習会も実施。憲法カフェの取り組みと、憲法を学ぶ大切さについての種田和敏弁護士へのインタビューを紹介する。
憲法カフェは、「気軽に憲法について語ろう」をコンセプトに、若い女性や子育て中のママなどを対象に始まった学習会。コーヒーや紅茶とケーキなどが用意され、リラックスした雰囲気の中で行われる。
会場では冒頭、「あすわか」が制作した電子紙芝居『王様をしばる法――憲法のはじまり』を上映。続いて、講師を務める弁護士から、立憲主義に基づく憲法の意義や、国家の力を制限して国民一人ひとりの自由や権利を保障している日本国憲法の理念、憲法と身近な生活の関係などが分かりやすく説明される。気軽に質問できるのも、憲法カフェの特徴の一つだ。
憲法カフェに参加した山口県在住の女性(38)は「憲法というと、難しいイメージがありました。しかし、国民の権利が侵されないように国が守るためのものだと知って、私たちにとって大事で、身近なものだと分かりました」と話した。神奈川県在住の女性(41)は「憲法の役割や成り立ちを学ぶ中で、当たり前のように家族と暮らせるのは、実は憲法によって私たちの権利や自由が保障されているからだ、と気づきました」と語った。
一方、昨年末に行われた職員対象の学習会では、日本国憲法21条の「表現の自由」を取り上げ、参加者が「改憲派」「護憲派」に分かれてディベートに臨んだ。「自分の考えと異なる視点に立つことで、理解が深まった」といった声が聞かれた。
『王様をしばる法~憲法のはじまり』あらすじ
昔、ある国に悪名高い王様がいました。権利や自由を奪われた国民の我慢も限界に達し、ついに立ち上がった民衆によって王様は捕らえられ、民衆の中の一人が新しい王様となりました。前の王様とは違う政治をするとその王は約束し、「憲法」という名の決まりを作りました。しかし、この王も勝手に物事を決め、人々は自由に暮らせなくなったため、再び民衆が立ち上がり、王様の権力をしばる「憲法」を自分たちで作りました。
その後、王様に代わり、選挙で選ばれた人が政治を行う時代へと移りましたが、政治を担う権力者がきちんと憲法を守り、権力を乱用していないか、国民がしっかりとチェックしていかなくてはならないことに変わりはありません。
「明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)」ホームページから紙芝居『王様をしばる法~憲法のはじまり』の閲覧ができます。http://www.asuno-jiyuu.com/