世界中の母と子を支え 40年目を迎えた本会「一食ユニセフ募金」
紛争や災害に苦しむ世界の子どもたちを救うため、ユニセフ(国連児童基金)を通じて支援する立正佼成会の「一食(いちじき)ユニセフ募金」が、今年で40年目を迎えた。これまで、街頭募金やチャリティーバザーなどで全国の会員、市民から寄せられた浄財は69億円以上。その浄財は、公益財団法人「日本ユニセフ協会」を通してユニセフ本部へ送られ、アジアやアフリカ、中米地域の子どもたちに対する教育や保健などの支援事業に充てられてきた。募金の主な使途を紹介する。
予防接種事業の支援
「一食ユニセフ募金」は国際児童年の1979年、貧困や紛争に苦しむ子どもを救うため、庭野日敬開祖が「朝日新聞」論壇で「『一食を捧げる運動』の国民運動化」を提唱し、始まった。
80年代前半の開発途上国では毎年、乳幼児300万人がワクチンを接種できず結核などに感染し亡くなった。これを受けてユニセフが展開する予防接種普及事業(EPI)に、85年から本会も参画。中国やメキシコなどでのEPIや保健事業に支援した。
紛争や災害で緊急援助
91年に勃発し、その後激化した旧ユーゴスラビア連邦の内戦で約300万人が家や家族を失った。負傷や空腹、親の殺害などで心に深い傷を負った子どもたちに対し、93年、本会は緊急援助を行った。これは指定拠出以外の特別な枠で、緊迫した情勢に対応する措置。物資提供や心理学専門家の派遣が行われた。それ以降、エチオピアの飢餓やバングラデシュの洪水などにも緊急援助が行われた。
教育事業支援の充実
学校に通えない世界の子どもは、90年代に約1億4000万人に上った。本会は98年、識字能力の習得が将来的に収入の上昇と貧困からの脱却につながるとの観点から、教育事業支援の強化を決定。2009年に事業が終了するまで、アフガニスタンやインドなどで働く子どもやストリートチルドレンに教育支援が行われた。
【次ページ:「WCRP/RfP国際委員会との連携事業」「持続可能な支援活動に注力」】