事業を通じて自己実現を 六花の会 第3回「仏教精神に学ぶ経営者の集い」

『ど真剣に語ろう』と題して行われた座談会

第3回「仏教精神に学ぶ経営者の集い」が昨年12月14日、立正佼成会の大聖堂(東京・杉並区)で開催された。仏教精神を生かした経営を目指す本会会員(有志)のネットワーク「六花(りっか)の会」によるもの。庭野光祥次代会長が出席し、企業経営や事業を営む会員ら300人(オンラインを含む)が参集した。

当日は、熊野隆規理事長による教団代表挨拶の後、船舶設計会社を経営する長崎教会の壮年部員(43)、家族で介護事業を営む板橋教会の壮年部員(49)が経営を通じての気づきを発表した。長崎教会の壮年部員は、六花の会の勉強会で「縁を生かした経営」について学び、自社で請け負えない仕事を関係先の力を借りて受注したり、同業他社に依頼したりするなど、つながりを意識して業務を進めることで、経営が軌道に乗ったと報告した。

板橋教会の壮年部員は、自社の根幹には、創業者である信仰二代目の母親が、支部長時代に地域から受けた恩を福祉で社会に返すとの精神があると紹介。今後、事業承継が見込まれる中、従業員に対して「人生の後半を支える介護の仕事は、利他の精神を実践する尊いお役であることを伝え、導いていきたい」と決意を述べた。

この後、『ど真剣に語ろう』と題した座談会が行われ、同会メンバーと共に光祥次代会長が登壇した。

この中で光祥次代会長は、経済社会と言われる現代において、金銭は、物事を実現したり、何かを表現するための交換手段に過ぎず、それそのものが目的にはならないと説明した。経営者にとっての経営も同じで、自社の働きによって実現したい願いを企業理念や経営哲学に込めて明らかにすることで、目的が明確になるだけでなく、経営者自身の自己実現にもつながっていくと話した。

また、経営には、「柔らかな信念」が大切と強調。信念には、固く信じて疑わないこと、行動の基礎となる態度という意味がある一方、「固くつかんで離さないことは執着にもつながる」と示した。その上で、時代に合わせて考え方をアップデートして、自由自在に変化して対応できる弾力性を持つことが「今を生きる経営であり、私たちを頑(かたく)なにしない大きな力になる」と語りかけた。