「ベネズエラの主権と国際法の遵守を――教皇とWCCがトランプ大統領に要請」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)

バチカンで定例聖年が閉幕

ローマ教皇レオ14世は1月6日朝、バチカンの聖ペトロ大聖堂(サンピエトロ大聖堂)で、「この聖年の扉は閉鎖されるが、神の赦(ゆる)しの扉は閉鎖されることがない」との祈祷文を奏上して「聖年の扉」を閉鎖した。25年に一度、「恩赦の年」としてカトリック教会内で祝われる「定例聖年」の事実上の閉幕だった。

聖年の扉は一昨年12月24日、故・教皇フランシスコによって開けられた。聖年の扉を閉める式典に先立つ5日、バチカン記者室で開かれた「聖年を総括する記者会見」では、聖年中にバチカンを訪れた巡礼者数は「世界185カ国から3億3347万5369人」と公表された。全体の62%がイタリアを中心とする欧州各国からの巡礼者で、カトリック教会史上初めて教皇を輩出した米国からも12%を超えた。参集者の受け入れのため、約7000人のボランティアが従事した。

また、教皇儀典室が公表した統計によれば、聖年中に執り行われた水曜日の一般謁見(えっけん)、土曜日の聖年一般謁見、特別謁見、教皇司式の式典、日曜日の正午の祈りに参加した巡礼者数は、教皇フランシスコの時(1月~4月)に26万2820人、教皇レオ14世の時(5月~12月)に291万3800人で、総数は317万6620人だった。

聖年の扉を閉めた教皇レオ14世は、同式典でのミサの説教で、6日が救い主である幼子キリストの「御公現(公の場に姿を見せた)の祝日」であることに言及。救世主の誕生を知ったヘロデ王が、自身の権力に対する危険を感じて、国内にいる全ての幼児の虐殺を命じたという聖書の中の逸話に触れながら、「平和を愛する、平和を追求するということは、聖なるもの、それも、生まれたばかりの幼子のように小さく、デリケートで、ひ弱な存在を護(まも)っていくことだ」と説いた。

さらに、「私たちの周りには、全てから利益を求める歪曲(わいきょく)された経済がある。その経済は、旅(巡礼)をしたい、再出発したいという人間の願望をも商売にしていく」と非難。「私たちは、聖年を通して、全てを商品化していく効率主義を避け、訪問客を巡礼者、知らない人を探究者、遠方の人を隣人、異なる人を(同じ)旅の伴侶として受け入れる能力について学んだのだろうか」と問いかけた。

聖年の扉を閉める式典ミサの後、サンピエトロ大聖堂の中央バルコニーに立った教皇レオ14世は、正午の祈りを執り行い、その中の講話で、「私たちの間で幼子キリストが成長し、神の王国が構築され、キリストの言葉が実現されることによって、異国人や敵対者が兄弟姉妹となり、不公平が公平に変わり、軍事産業に代わって平和の手工業が展開されていくように」と願った。

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