一食オンライン事業報告会を実施 パレスチナ・ガザ地区の現状学ぶ

CCP現地スタッフによる炊き出しの様子(Zoomの画面から)

パレスチナ・ガザ地区では2023年10月以降、イスラエル軍の空爆や銃撃戦で5万人以上のパレスチナ人が犠牲となり、200万人が避難を強いられている。立正佼成会一食平和基金では、長年パレスチナ難民をサポートしてきた特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン(CCP)を通じて、人道危機に直面するパレスチナ難民への支援を続けている。

一時停戦で多くのパレスチナ人がガザ地区に戻ってきていた最中に再開されたイスラエル軍の攻撃。ガザ地区は今、どのような状況にあるのか――。3月22日に行われた「一食オンライン事業報告会」で、同地区で人道支援にあたるCCPの田中好子事務局長が現状を語った。

「電気、上下水道、道路、建物、ありとあらゆるものが破壊されています。学校も避難所となっていて、子どもたちは教育の空白期間が1年以上続いています」

爆撃でがれきと化したガザ地区(Zoomの画面から)

冒頭、田中氏は、一昨年から続く爆撃でがれきの山と化した街の様子を写真で見せながら、仮設テントすら張ることのできない現地の惨状を伝えた。さらに、今年3月2日以降、イスラエル軍によって食料や水、燃料を含めた全ての支援物資の搬入が止められ、深刻な人道危機が発生していると解説。6万人以上の子どもが栄養失調の状態にあり、加えて冬の寒波に見舞われ、低体温症で亡くなる新生児も増えていると訴えた。

続けて田中氏は、こうした苦境に立たされたパレスチナの人々を救うため、現地のスタッフと協力して今も支援活動を継続していると説明。爆撃で命を落とす国連職員が後を絶たない状況にありながら、飲料水の確保が困難な北部で、給水車の燃料を購入して現地の業者に提供し、給水を行う。さらに、850人分の食事を毎日提供していると報告した。

最後に、田中氏は動画を通して現地スタッフのハリール氏のメッセージを届けた。この中でハリール氏は、家を破壊され住む場所もなく、ブルーシートで雨風をしのぐ現地の人々が、どれほど苦しんでいるか「想像してみて」と投げかけ、「人々には希望が必要です。インシャアッラー<神の思(おぼ)し召しがあれば>、私たちは可能な限り支援を続けます」と語った。

第2回目のオンライン事業報告会「イラク・バスラにおける、小児がん・白血病患者支援」

【日時】6月25日(水)19時~20時半
【問い合わせ】申し込み方法などの詳細は「Kitaiサイト」にて「一食オンライン」と検索してください