本庄教会 ほんじょうFMから活き活き電波発信!

本番前に打合せをする様子。それぞれが機関誌「佼成」の中で心に響いた文章を出し合い、リスナーに伝えたい部分を決めている
「皆さん、こんにちは! 11時になりました」。元気な声で始まったのは、埼玉・本庄市のコミュニティー放送局「ほんじょうFM」の番組『ひるどきほんじょう』だ。毎週水曜日は、キリスト教徒であり、地元で傾聴などのボランティア活動に励むOさん(71)が進行役を担う。
昨年11月からは、Oさんとボランティア仲間のYさん(74)、Kさん(82)=共に立正佼成会本庄教会=の二人も出演。番組内で月2回ほど、それぞれが機関誌「佼成」の会長法話や信仰体験などの記事を音読し、自身の心に響いた物事の受けとめ方や、日常生活での気づきを語り合いながら発信している。
番組内容を考えたのはOさんだ。Yさんから受け取った「佼成」を毎月読むたび、誰にでも分かりやすく仏教が説かれ、また異なる宗教を受け入れる本会の姿勢に心を打たれた。次第に、「苦悩が多い人生の中で、少しでも心が豊かになるように、人間として必要な教えを知ってもらいたい」との願いが湧き、本庄教会に所属する二人の力を借りてスタートした。
放送開始前には、おのおのが事前に読み込み、いくつも赤線を引いた「佼成」を開いて、リスナーに伝えたい内容の打ち合わせをする。この時間を大切にしているYさんは、「読後の感想を出し合うと、心を揺さぶられた部分が違うので面白いです。学びが深まります」と話す。
ある日の生放送中、Oさんが「世間一般的にも、“オアシス”という言葉を使うけれど、どういう意味かしら」と疑問を投げかけた。Yさんは、「人を憩わせ安心を与える、いわば『オアシス』のような心を宿す菩薩がいるところ」という1月号「会長法話」の一節を引用して答えた。Oさんは、自分の正しさを押し付けてしまうことも多いと省み、「オアシスを生み出せるように、思いやりの心を持ってボランティア活動を続けたい」と語った。
番組の放送は昼の時間帯だ。リスナーは食事の準備、車での移動など、片手間で聞いている人も多い。四角四面になり過ぎず、和気あいあいとした雰囲気づくりを心がけていると三人は言う。
以前、金の無心をするわが子を通して物事の受けとめ方を転換できた会員の体験を紹介した際、同じ悩みを抱えるリスナーから、「仕方のない子どもと見ていた自分に気づきました。きちんと向き合っていきたいと思います」との感想が届いた。Kさんは、放送がリスナーの心に届いていることに喜びが湧いた。「耳を傾ける人が一人、また一人と増えてくれたらうれしいです」と顔をほころばせる。
今後も、番組ではリスナーが活き活きと過ごせるような放送を続けていく。