北九州支教区 青年の“発”を叶える2日間 「ユースフェスティバル」

24日、佐賀城跡周辺で行われた万灯行進。北九州支教区の青年部員による約10年間の“挑戦”が実を結んだ

昨年11月23、24の両日、立正佼成会北九州支教区による青年部員の結集大会「ユースフェスティバル」が佐賀教会で開催された。この集いは、青年一人ひとりの“発”を具現化するとともに、サンガ(教えの仲間)の輪を拡(ひろ)げることを目指した支教区初の試み。約130人の参加者は、地元での万灯行進や、庭野日敬開祖に思いをはせる読経供養など、さまざまなプログラムに取り組んだ。

会場の佐賀教会には約130人が集結し、2日間、多彩なプログラムに取り組んだ

ユースフェスティバルの開催は、2024年8月末に決まった。支教区の青年部員が交流を重ねるとともに、仏の教え、庭野開祖や佼成会の仲間に出会えたことに感謝を深める機会として発案された。

「青年がやりたいこと、喜ぶことを実現したい気持ちが一番でした」と話すのは、企画・運営をサポートした郷原一彰青年教務員。一人ひとりが得意分野を活かして主体的に取り組めるよう、実行委員は自ら応募した青年で組織したという。

参加者に対しても、仲間と楽しい時間を過ごす中で佼成会の活動に親しんでもらう工夫を凝らした。行程中に予定されている複数のプログラムを自由に選べるようにしたほか、参加者が撮影した写真などをLINEに共有し、一体感を持てるようにした。

23日には、飲食を楽しみながら自由に語り合う夜間プログラムも行われた

23日は、北九州をはじめ、隣接する中国、南九州の各支教区からも青年部員が参集。新日本宗教青年会九州連盟でのつながりを縁として、善隣教の青年4人も参加した。

選択プログラムでは、子どもたちが射的やスーパーボールすくいで遊ぶ「お祭り」、県内各地に出かけて紅葉や陶芸体験などを楽しむ「プチ旅行」といった七つの活動が展開された。

このうち、「開祖さまと私の部屋」では、庭野開祖に思いをはせようと、参加者は教会道場で庭野開祖が読経する音声に合わせて読経供養を行った後、『私にとっての開祖さまとは?』をテーマに語り合った。

南九州支教区から訪れた延岡教会少年部長(24)は、「開祖さまの声の抑揚が私の祖父と似ていて、懐かしくなり、一緒にご供養をさせて頂いているような親近感が湧きました」と感想を述べた。

行進の出発前、教会道場で心一つに祈願供養を行う青年たち

翌24日には、『挑戦 ~九州(ここ)から大きな花を咲かせよう~』をテーマに、参加者有志による万灯行進が行われた。

北九州支教区の青年部員による“挑戦”が始まったのは約10年前。本会の「お会式・一乗まつり」に参加した青年が、「自分たちも信頼できる仲間の輪を拡げて、九州で行進がしたい」と夢を語った。青年らしく純真な〝発〟に感動した支教区のサンガも、行進の実現に向けてそれぞれの教会で手どりを重ねた。

2018年から日蓮宗鎮西身延山本佛寺(福岡・うきは市)の「御会式」の万灯行列に加わった。コロナ禍で中断するも、実行委員の青年らが毎月オンラインで語り合いを続け、23年から再び本佛寺の御会式に参加。その一方で、支教区でのマトイ行進の可能性を模索し続け、今回、ユースフェスティバルの開催を機に実現した。

行進の先頭では、元気なかけ声とともにマトイが天高く舞った

当日、教会を出発した一行は、秋晴れの下、勇壮なかけ声と囃子(はやし)の音を響かせて、佐賀城跡を囲む濠(ほり)に沿って1.5キロを行進。天高く舞うマトイを先頭に、鳴り物、よさこいが花を添え、佐賀教会の壮年部員らも万灯を担いで応援した。

マトイ班の宮田教会の男性(43)は、九州での行進実現を願っていた一人。「やっと一歩を踏み出せました。娘や息子が大きくなっても実行委員会が続いてほしい」と話した。福岡教会の女性(25)は、「地域の人がお家(うち)の窓越しに見てくれたので、頑張ってよさこいを踊りました」と笑顔を見せた。

参加者からは2日間を通し、「堅苦しくなくて面白かった」「ここまで自由な行事は初めて」といった声が多数聞かれた。実行委員の福岡教会学生部長(27)は、「会議ではみんなが協力して、思いついたアイデアをどんどん形にしていきました。『やろうと思えば何でもできる』と実感できたことが、私にとっては大きな学びです」と話した。

今後も同支教区では、青年たちの“発”を大切にし、さまざまな企画に挑戦する予定だ。