大聖堂で「御親教」式典 新たな気持ちを持って精進を(動画あり)

庭野会長は、「御親教」の中で『素心』『初日』の二幅の書初めを披露した

年頭にあたり、会員一人ひとりが一年の修行精進を誓う「御親教」式典が1月7日、大聖堂(東京・杉並区)はじめ各教会で行われた。大聖堂には会員約700人が参集。庭野日鑛会長は、「御親教」の中で、『素心(そしん)』『初日(はつひ)』の二幅の書き初めを披露した。また、新年にあたり、新たな人間に生まれ変わるという決意で努力、前進していく大切さを説いた。式典の模様は、動画共有サイトを通じて手話通訳付きでライブ配信(会員限定)された。

当日の様子(クリックして動画再生)

式典は、東京佼成ウインドオーケストラ(TKWO)の序奏で開幕。国歌・会歌の斉唱に続き、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われた。

年頭挨拶に立った熊野隆規理事長は、庭野日鑛会長が『年頭法話』の中で、年が明けて迎える新しい一日は、生まれてから初めてのかけがえのない日だと示したことを紹介。唯一無二の存在である一人ひとりが、二度と再現できない日々を生きていると受けとめ、今この瞬間に全力を尽くす生き方をしていきたいと語った。

また、立正佼成会と庭野会長が米寿を迎えることを機に、会員が仏の教えを実践し、自他共に救われる菩薩道を歩むことで、「立正佼成会が、サンガ(教えの仲間)によって人が植えられ、育てられ、共に成長を悦(よろこ)び合える苗代(なわしろ)であると改めて実感して頂きたい」と呼びかけた。

この後、川口教会の教務部長(58)が「決意の言葉」を発表した。支部長の役を兼任した教務部長は、大病を患う夫と、その夫を介護する主任夫婦との縁を述懐。夫婦が昨年、ご本尊を勧請したことで、ご宝前を中心に心を通わせる姿に触れ、教会長から教わった「全ての人が懸命に努力をしている。その尊さに寄り添う」ことの大切さを改めてかみしめた体験を披歴した。

また、庭野会長が「令和七年次の方針」で示した「人間が進歩向上する一番大切なことは敬う心を発達させることであり、恥を知ることである」という先人の至言を胸に刻み、今後も出会う全ての縁から学び、精進していくと誓願した。

「御親教」に立った庭野会長は、今年、自らが米寿を迎えることに触れながら、理学博士である佐治晴夫氏の言葉を引用するかたちで「数え年」について言及。新年に皆で一斉に歳(とし)を重ねる数え年の考え方は、人間として最も人道的であり、皆が心を一つにしていく機会になると述べた。

また、法華経の各品には、「本化(ほんげ)の菩薩」として、一人ひとりが世界の問題を自らが解決すべき問題と受けとめて、その任にあたる大切さが説かれていると明示。中でも「従地涌出品(じゅうじゆじゅつほん)」の地涌(じゆ)の菩薩の精神を大事にし、「慈悲の心を持って、日々精進してまいりたい」と語りかけた。

さらに、「新」という字には、「辛(つら)いことがあっても努力をして、木を大事に育て、加工して新たなものとして活用していくという意味合いが込められている」と解説。新年にあたり、新しい人間に生まれ変わる努力をすることを目指し、「新たな気持ちを持って前進してまいりたい」と語った。