新宗連「信教の自由委員会」 「『組織的犯罪処罰法改正案』に関する意見書」を安倍首相に提出

公益財団法人・新日本宗教団体連合会(新宗連)「信教の自由委員会」は6月5日、本山一博委員長(玉光神社宮司)名の「『組織的犯罪処罰法改正案』に関する意見書」を発表し、同日、本山委員長が東京・千代田区の自由民主党本部を訪れ、安倍晋三首相に宛て提出した。同党の山口泰明組織運動本部長が受け取った。

現在、国会では、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する「組織的犯罪処罰法改正案」が衆議院を通過し、参議院で審議が行われている。テロ等準備罪(いわゆる共謀罪)の新設は、犯罪を計画や準備段階で処罰することを可能にし、その対象犯罪は277に及ぶ。一方、犯罪の対象とする「組織的犯罪集団」の定義や、「計画や準備行為」の内容に関して曖昧さが目立ち、捜査機関の恣意(しい)的な運用などが懸念されている。戦前、「治安維持法」によって、表現、信教の自由といった国民の権利が侵害された歴史になぞらえる指摘も少なくない。

「意見書」では冒頭、新宗連が結成以来、日本国憲法第20条が保障する「信教の自由」の堅持を柱に活動してきたことを説明。続いて、同法改正案第6条による「組織的犯罪」「計画」及び「準備行為」の定義が曖昧で、「ある行為を恣意的に『計画』ないしは『準備行為』と解釈」して、不当な監視が行われる可能性を否定できないとした。また、組織的犯罪集団の定義も曖昧なため、宗教団体を含む特定の団体を監視するための口実とし、本法案が濫用されることが危惧されると指摘。これによって「自由闊達な宗教活動が阻害される可能性があります」と憂慮の念を示した。

さらに、戦前戦中にかけて治安維持法によって信教の自由が侵害され、宗教活動が弾圧された歴史に触れ、基本的人権が侵されないよう、同法改正案の慎重な取り扱いを要望した。

新宗連ウェブサイト 「組織的犯罪処罰法改正案」に対して意見書を提出 新宗連信教委  http://www.shinshuren.or.jp/page.php?id=367

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