「WCCが被団協のノーベル平和賞受賞に歓迎のメッセージ」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
WCCが被団協のノーベル平和賞受賞に歓迎のメッセージ
プロテスタント、正教会、英国国教会や聖公会など、世界120カ国以上、352を超えるキリスト教諸教会の連盟組織である世界教会協議会(WCC=本部・ジュネーブ)は10月11日、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞に対して歓迎のメッセージを公表した。
同メッセージの中でWCC国際問題担当委員会のピーター・プルーヴ委員長は、「日本被団協に祝意を表すとともに、WCCの加盟教会が、全世界に向けて『核兵器禁止条約』の署名と批准を促しながら、核実験が行われた地域の住民と土地に正義と保全を推進していく努力を支持し続ける」と約束した。
核兵器のない世界の構築へ向け、WCCによるあらゆる努力を支援すると誓うプルーヴ委員長は、「核兵器による安全保障はなく、この兵器が存在し続ける限り、恒常的な不安があるのみ」と主張し、「人間の性分や、歴史の中で知られている過ちや事故が、どんな人の手中にあろうとも、核兵器が安全であるとは言えないことを証している」と警告するとともに、「被爆者の体験を基盤とした多くのキャンペーンを通して、耐え続けてきた苦しみを分かち合おうとする被団協の意志は、世界における核兵器の道徳的容認に関する意識を変えた」と評価した。
さらに、同メッセージでは、「統治組織、運営委員会と加盟教団を通して、核兵器の完全廃絶を訴え続けてきた」と述べ、1948年の創設集会以来、WCCが核兵器に反対する立場であると強調。核兵器を用いた戦争が「神に反する罪、人間の堕落である」との確信を明らかにした。