横浜教会「壮年の集い」 JVCの国際支援事業への協力を報告

JVCの大村氏は、真心からの寄付によって支援を受ける人々の心が安心感で満たされると話した(写真提供/横浜教会)

紛争の影響を受ける人々を助けようと、立正佼成会横浜教会壮年部は昨年から、世界各地で人道支援を行う認定NPO法人日本国際ボランティアセンター(JVC)の事業に協力している。8月4日、その活動報告を兼ねた「壮年の集い」を教会道場で開催し、壮年部員ら100人が参加した。

同教会壮年部では、『一隅を照らす』をテーマに、菩薩行の実践による人格向上を目指して、「教会周辺の清掃」「フードバンクへの食料支援」「国際支援」の三つを活動の柱としている。「アフリカへ毛布をおくる運動」の収集キャンペーンが一昨年に終了したことを受けて、同部では昨年1月、Yさん(67)=壮年部長=、Kさん(60)=支部壮年部長=を中心に新たな活動を模索していた。

その頃、Kさんは人づてに、JVCが古本の収集を通じた人道支援を行っている話を聞いた。この活動は、誰でも参加できて世界の人々の救いにつながるとともに、皆で自己の生活を省みるきっかけにもなると感じたKさん。すぐさまJVCの取り組みをYさんに伝えると、壮年部でJVCに協力しようという機運が高まった。

内戦で傷ついたスーダンの子どもを助けようと、昨春、各家庭から段ボール124箱分に及ぶ古本が横浜教会に集められた(写真提供/JVC)

その熱意に教会の支部長が応え、教会を挙げての活動に発展。2カ月にわたって壮年部員と支部長が協力して会員宅を訪問し、段ボール124箱分に及ぶ古本を収集した。それを中古書店に買い取ってもらった金額の約10万円を、内戦で傷ついたスーダンの子どもの教育支援をサポートする取り組みに寄付。その後も活動を続け、11月から今年1月までに集めた89箱分の古本約5万円は、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの侵攻の被害者支援事業に献金した。

集いの当日、壮年部からの報告として、JVCの国際支援事業に通年で協力することが発表された。続いて、JVC広報担当の大村真理子さんが講演。大村さんは、同教会の支援に謝意を表した後、攻撃で破壊されたガザの街並みや避難民の様子を動画で伝えながら、現地パートナー団体と取り組む粉ミルクの配布、食料購入用の現金給付などに浄財を活用したことを報告した。

次いで、「久しぶりに買えたジャガイモと卵で子どもたちに料理を作れた。日本の皆さんの優しさを忘れません」という支援を受けた女性の声を紹介し、今後も、厳しい状況で生きる現地の人々を支え続けると話した。

あいさつに立った齋木淑江教会長は「私たちの支援は世界の誰かの喜びにつながります。取り組みを通して、人に思いやりの言葉をかけられる、そんな一隅を照らす人を互いに目指していきましょう」と壮年部員に語りかけた。

参加者からは、「壮年の力をもっと集めて世界平和に貢献したい」「戦争のない生活の有り難さを感じた」などの声が上がった。Kさんは、JVCとの活動が平和な世界をつくる尊さを学ぶ機会になったと話し、「国際情勢に目を向け、自ら考えて行動する仲間づくりのため、今後も手どりを通して協力を呼びかけていきたい」と述べた。