イスラエルに武器を売るな――米国ユダヤ教徒たちの抗議(海外通信・バチカン支局)

フィラデルフィアのラビであるリンダ・ホルツマン師は、「レリジョン・ニュース・サービス」を通して、「ネタニヤフ首相は戦争犯罪者」と糾弾。「米国議会で演説するよう招待されたことは非難されるべき」としながらも、「ネタニヤフ首相は、より大きな問題の一部でしかない」と指摘した。「イスラエルは、“人種差別”を行う国家とされており、ユダヤ人がパレスチナ人よりも、多くの権利を保有している」との理由からだ。

24日に米国の上下院合同会議で演説したネタニヤフ首相は、ガザでの紛争を「文明の衝突ではなく、死を称賛する野蛮(ハマス)と生命を尊重する文明(イスラエル)の衝突」と称し、「野蛮」との戦いでイスラエルと米国の結束を強調した。また、イスラエルを批判する抗議デモ者たちを、「恥ずべきハマスの加担者であり、イランにとって有益なばか者たち」と述べ、彼らの声に耳を傾けることを拒否した。

約100人の民主党議員は、ネタニヤフ首相の演説を欠席。同首相の演説後も、議会議事堂周辺では数千人規模の抗議運動が続き、参加したキリスト教徒、ユダヤ教徒、ムスリム(イスラーム教徒)、クエーカー教徒らが、同首相を「戦争犯罪者」と呼んで、ガザでの「停戦」を訴えた。
(宮平宏・本紙バチカン支局長)