水戸教会笠間支部から菩薩の心を発信!「古着deワクチン」

「こんなに洋服が集まるなんて」――6月下旬、立正佼成会水戸教会笠間支部の連絡所に1130点もの衣類が集められた。支部の会員がその一枚一枚を丁寧にたたみ、回収袋に収めていく。その量、実に、衣類約30キロが入った袋が12袋に上った。

同支部が取り組むのは、日本リユースシステム株式会社が運営する「古着deワクチン」。回収袋を購入すると一袋につきポリオワクチン5人分になるほか、回収された衣類は海外に輸出され、カンボジアの「古着deワクチン」直営センターで一点売れるごとにワクチン1人分が、ミャンマーやラオスなどの子どもたちに贈られる。さらに、回収袋を福祉作業所で製造するなど、国内外で雇用を創出している。衣類の断捨離を通して社会貢献できる仕組みだ。

発端は数年前、組長(73)が発したひと言だった。「着ない服があるけれど、捨てるには忍びない」。支部で洋服の交換会を行ったが、その後も何かの役に立てないかさまざまな団体の取り組みを調べ、古着回収を始めた。

一袋に衣類が約30キロ入る専用回収袋

コロナ禍でしばらく休止していたが、昨年に活動を再開。今年6月、「私たちの“発”」応援プログラムを活用し、青年女子部長(35)が作成した「持続可能な開発目標」(SDGs)の達成に向けて協力を呼びかけるチラシを手に、主任らが地域住民にも声をかけた。衣類は前年の倍以上寄せられ、6月29日、7月10日に、衣類の選別と輸出を担う国内のセンターに発送した。

中心となって活動を進めたI主任(68)、Y主任(70)は「洋服を再利用でき、心が軽くなりました」「地元に協力の輪が広がり、私自身も人のために行動できたことが喜びです」と話す。他の主任たちも「余分な買い物が多かったと反省しました」「娘にも布施の精神を伝えられました」と話し、そして何より「みんなで楽しくできた」と口をそろえた。

支部長(53)は、「この取り組みは、誰もが持っている“人の役に立ちたい”という心を引き出してくれると思います。今後も地元の人に取り組みを発信していきたい」と抱負を語った。