世界の宗教指導者によるAI倫理に関する国際会合が広島で開催(動画あり)

本会から光祥次代会長が登壇し、署名を行った

翌10日は、冒頭、NPO法人「ヒロシマ宗教協力平和センター」(HRCP)の吉田章枝(ふみえ)さん(95)が被爆証言を行った。参加者は、8月6日の原爆投下時の惨劇や家族を奪われた悲しみ、平和への願いなどに耳を傾けた。続いて、同会合で話し合われたことを踏まえ、AIが人類の平和のために活用されることを呼びかける「広島アピール」が発表された。

当日の様子(クリックして動画再生)

この後、会場を原爆ドーム前に移し、「AI倫理のためのローマからの呼びかけ」への署名式が行われた。冒頭、ローマ教皇フランシスコからのメッセージが代読され、次いで、河野太郎デジタル大臣があいさつに立った。

署名式では、会合に参加した世界の諸宗教指導者11人が登壇し、短いメッセージとともに署名を行った。署名者の一人である光祥次代会長は、メッセージの中で、AIの倫理を考えることは人間の倫理が問われていることに他ならないと明示。人間は眼(め)や耳といった五感を通して世界を認識し、その感覚・感性こそAIにない「人間らしさ」であると話し、今こそ五感を磨くことが大切と訴えた。「自己中心性から離れつつも自分らしくいられるよう、宗教者は、諸分野の方々と共にAI倫理をつくり上げる一員として、これからも対話し協働していきます」と宣言し、署名した。

WCRP/RfP日本委員会会長の杉谷義純・天台宗妙法院門跡門主がメッセージと署名を行った後、その他5人の参加者が署名を行い、最後に会場後方にある平和の鐘が鳴らされ、参加者全員で黙とうをささげた。

【あわせて読みたい――関連記事】
バチカンから見た世界(160)
海外通信
海外通信