聖エジディオ共同体本部を光祥次代会長が訪問 青年部員はボランティア活動(動画あり)
フォコラーレ運動(カトリック在家運動体、本部・ローマ)主催による「諸宗教の集い」に出席するため、イタリアを訪れていた立正佼成会の庭野光祥次代会長は、6月3日午後、ローマ市内にある聖エジディオ共同体(カトリック在家運動体)本部を訪れ、マルコ・インパリアッツォ会長と懇談した。同共同体からアルベルト・クワトルッチ渉外責任者、アゴスティーノ・ジョバニョーリ・アジア担当部長、本会から和田惠久巳総務部長(理事)、佐藤京司理事、根本昌廣参務らが同席した。
同共同体は、イタリアの聖都アッシジで1986年に開催された諸宗教者による「世界平和祈願の日」の精神を継承し、翌年から毎年、欧州の各都市で「世界宗教者平和のための祈りの集い」を実施。諸宗教対話に基づく数々の平和貢献活動が評価され、99年に第16回庭野平和賞を受賞した。
本会は長年、同共同体と交流を深め、2016年には、貧困や搾取に苦しむアフリカの人々のために両団体が協働を図る「フレンドシップ合意書」に調印。マラウイで「HIV/エイズの治療促進」と「出生登録の推進」に取り組むほか、アフリカの諸問題の解決に向けた国際会議「アフリカの新たなビジョン」を東京で2度開催した。21年には、コロナ禍で困難な状況にあるアフリカの人々の状況に警鐘を鳴らし、両団体が協力して支援にあたる意向を示す文書「アフリカのための共同アピール」をウェブ上で発表した。
懇談の中でインパリアッツォ会長は、ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するための緊急募金を本会が行い、その一部を同共同体に寄託したことに謝意を表明。寄託された浄財は現在、ウクライナの国内で困難な状況にある人々への生活必需品の配布のほか、学校教育の支援に充てられていると説明した。これに対して光祥次代会長は、「聖エジディオ共同体の皆さんが現地で活動しているから、わずかかもしれませんが、私たちも貢献することができます。私たちにとって、聖エジディオ共同体の皆さんとの友情はかけがえのないものだと感じています」と語った。
懇談ではこのほか、今年9月にパリで開催を予定している「世界宗教者平和のための祈りの集い」が話題に上った。インパリアッツォ会長は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃が激化するにつれ、ユダヤ教とムスリム(イスラーム教徒)との関係も悪化し、両者の対立に悲観的なまなざしが向けられ、「対話をしても意味がない」との見方が世界中に広がりつつあると指摘。その上で、「危機的状況だからこそ、対話を続けることが重要。カトリックと仏教――異なる信仰を持った私たちが対話できると世に示すことは、世界にとっての希望になると思うのです」と語った。
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