戦禍を生きる子どもたちにぬくもりを 東京教区「ゆめポッケ」でウクライナ支援

読経供養を行う参加者。導師、脇導師は少年部員がつとめた

立正佼成会東京教区の「2024年親子で取り組むゆめポッケ」発送式が5月26日、第二団参会館(東京・杉並区)を会場に、オンラインを併用して行われた。同教区の少年部員など84人が参加。在日ウクライナ大使館のセルギー・コルスンスキー特命全権大使、インナ・イリナ三等書記官が出席した。

当日の様子(クリックして動画再生)

同教区は今年、戦闘が続くウクライナの子どもたちが、悲しみや苦しみを乗り越え、喜びや希望を抱くための一助となる活動として、「ゆめポッケ」を実施した。同活動を機縁として戦争の悲惨さ、いのちの尊さを学び、思いやりの心を親子で共に育むことを目的としている。3月から、事前学習会を開いて準備を進めてきた。東京教区だけでなく、東日本、関東の両教区から複数の教会が有志で参加し、合計3208個のゆめポッケが集まった。

当日は、ウクライナの子どもたちの笑顔につながるようにとの祈りを込めて、少年部員が導師、脇導師をつとめて読経供養を厳修。続いて、コルスンスキー特命全権大使と川本貢市東京教区長(杉並教会長)が前に出て、ウクライナの子どもたちにゆめポッケが届けられることに対する合意書に調印した。

調印後、握手を交わす両氏

この後、あいさつに立ったコルスンスキー特命全権大使は、ロシアによる軍事侵攻がいまだに続き、犠牲となる子どもの数が増加している状況を説明し、「今日、皆さんと平和の祈りを捧げることができてよかった」と振り返った。また、ウクライナの子どもたちにとって、「ゆめポッケは『太陽の光』」だと述べ、「戦争が終結した後も、ウクライナの子どもたちの心の中に皆さんの温かい気持ちは残り続けるでしょう」と謝意を示した。

最後に、川本教区長があいさつに立ち、「ゆめポッケは、日本から遠いウクライナの子どもたちに思いをはせ、彼らの心に何を届けることができるだろうか、と考える契機になったのではないでしょうか」と語った。さらに、「活動を通して“心の通い合い”が生まれ、温かい気持ちになれたこと、そして、子どもも大人も平和の尊さについて考える大事な機会を得たことに感謝し、これからも私たちができる支援に取り組ませて頂きたい」と述べた。

発送式に参加した男子少年部員(11)=大田教会=は、「作業は大変でしたが、ウクライナの子どもたちの喜ぶ顔を思い浮かべて取り組みました。ウクライナ語で気持ちを込めてメッセージを書きました。相手に伝わるとうれしい」と感想を話した。