「アメリカとイタリアの大統領がベサク祭にメッセージ」など海外の宗教ニュース(海外通信・バチカン支局)
アメリカとイタリアの大統領がベサク祭にメッセージ
アメリカ合衆国大統領府を構成する施設の一つで、ホワイトハウスに隣接する「アイゼンハワー・エグゼクティブ・オフィス・ビルディング」で5月23日、今年で4回目となる「ベサク祭」が祝われ、バイデン大統領が米国と世界の仏教徒に宛ててメッセージを公表した。米国の宗教国際通信社「レリジョン・ニュース・サービス」が伝えた。
バイデン大統領の就任とともにホワイトハウスで祝われるようになったベサク祭は、カマラ・ハリス副大統領の夫(セカンドジェントルマン)であるダグラス・エムホフ氏が企画を担当し、今年は、上座部、大乗、密教、チベット、クメール・クロム仏教の指導者たちと共に、ネパール、インド、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、インドネシア、タイ、シンガポール、モンゴル、ラオスなどの各国大使が参列した。バイデン大統領は、「(夫人の)ジルと私は、ベサク祭を祝う米国と世界の仏教徒たちに対して、心温まる思いを送る」とのメッセージを公表した。
さらに、「仏陀(ブッダ)の誕生、成道(悟り)、入寂(にゅうじゃく)に対する敬意が表される時に、私たちは、米国の仏教徒たちが、私たちの共同体と国家に対して行った多大なる貢献を認知する」と述べ、「2500年を超える年月にわたり、仏陀の教えを信奉する人々が、われわれの分かち合う世界を豊かで、強靭(きょうじん)なものとしていった」と追憶し、讃(たた)えた。そして、「ベサク祭が、仏陀の説いた教えについて反省する時であるが、その教えは、平和と正義のために努力することと、我々が共に、より明るい社会の構築に向けての活動を展開する時に、謙遜と慈しみを涵養(かんよう)していかなければならないと戒めている」との確信を表明した。
一方、イタリアのセルジョ・マッタレッラ大統領も同25日、ベサク祭の機会に同国の仏教徒たちに向けてメッセージを公表。「仏陀の生涯と教えが祝われる機会に、イタリアの仏教徒たちにあいさつを送りたいと思います」と呼びかけ、「仏陀の霊的メッセージについての反省がなされる時が、われわれと諸国民間での共存ばかりではなく、われわれの憲法の基盤でもある、平和、寛容、理解といった価値観の分かち合いを滋養してゆくことに貢献できますように」と願った。