第36回IARF世界大会をルーマニアで開催 世界18カ国から宗教者ら約200人が参集

大会初日、ハンガリアン・ユニテリアン教会で祈りの時間がもたれた。日本をはじめ世界各国の宗教指導者13人が登壇した(写真は全て本会渉外グループ提供)

『“Faith in Reconciliation”~和解に向けた信仰者の役割~』をテーマに、「第36回国際自由宗教連盟(IARF)世界大会」が9月4日から6日までルーマニアのクルジュ=ナポカにあるジョン・ジギスムント・ユニテリアン神学校で開催された。世界18カ国から宗教者や学者ら約200人(オンライン参加含む)が参集。立正佼成会からは、IARF日本チャプターに参画する会員66人が参加したほか、国際評議員を務める本会総務部の佐原透修次長(渉外グループ)が出席した。

IARFは信教の自由を守り、宗教対話と協力を目指す組織として1900年に米国で創設された。本会は、69年の第20回大会(米国)で加盟して以来、世界大会に参加。81年に行われた第24回大会(オランダ)で庭野日敬開祖が同連盟会長に就任し、84年の第25回世界大会は本会本部で行われるなど、同連盟とのつながりは約半世紀に及ぶ。

9月4日、会場となった神学校に隣接するハンガリアン・ユニテリアン教会で開会式が行われた。世界各国の宗教指導者による祈りでは、IARF国際評議員を務める金光教泉尾教会の三宅善信師、カトリック・ギュラフェヘールヴァール教区(ハンガリー)のコヴァーチ・ゲルゲリ大司教、イスラーム教のイマーム・アリ・セルチン師、ゾロアスター教のルズベ・ホディワラ師など13人が登壇。それぞれの儀式で祈りを捧げ、平和へのメッセージを述べた。

次いで、IARF国際評議員会のロバート・インス会長、ルーマニアのチプリアン・ヴァシレ・オリニチ宗教問題担当国務長官、ハンガリアン・ユニテリアン教会のコヴァーチ・イシュトヴァーン司教が、開会挨拶を行った。

この後、宗教学者のジョージ・ウィリアムズ教授が『和解への前奏曲として思い出される歴史』と題して基調講演。ウィリアムズ教授は、世界の宗教間の協力と理解への貢献が認められ、IARF米国チャプターから特別功労賞を受賞。米国だけでなく、インド、日本、ハンガリー、ルーマニアなどの大学でゲスト講演を行っている。現在はハワイに在住し、ハワイ先住民の信仰団体カネヌイアケアに加盟する。

基調講演でウィリアムズ教授は、IARFの歴史を4分割して考察。今後は地球に大きな危機が迫る第5の時代を迎えようとしていると話し、ハワイの和解プロセスの知恵である「ホ・オポノポノ」や、立正佼成会の法座による救われの仕組みなどを紹介し、和解の意義やプロセスについて語った。また、トランシルバニアのユニテリアン発祥とその後の迫害の歴史、IARFの活動に多大な貢献をした日本の宗教学者・今岡信一良博士の足跡、第25回東京大会と本会との関わりなどを振り返りながら、信仰者が平和の担い手となり、過去の歴史を乗り越えて正義と真実の人生を生きるために団結していきたいと呼びかけた。

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