新宗連青年会 第58回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典
新日本宗教青年会連盟(新宗連青年会)による「第58回戦争犠牲者慰霊並びに平和祈願式典」が8月14日、東京・千代田区の国立千鳥ヶ淵戦没者墓苑で開催された。台風7号の接近に伴い、式典で役を務める宗教者だけが出席。当日の様子は、インターネットを通じてライブ配信された。
式典は、宮本泰克・同青年会委員長(妙智會教団事務局長)の主催者挨拶で開式した。宮本委員長は、同式典の祈りを原点に、新日本宗教団体連合会(新宗連)の先達が沖縄やアジアの国々に慰霊使節団を派遣し、敵味方、恨みを超え、全ての戦争犠牲者の慰霊と平和祈願に取り組んできたと詳述。そうした姿を「新宗連のこころ」として受け継ぐとともに、青年宗教者として、仲間を増やし、その輪を広げ、祈ることが新宗連青年会の歩む「平和への道」と語り、「手を携え、前を向いて共に進みましょう」と呼びかけた。
教団別礼拝では、本会を代表して大田教会の男性会員(47)が礼拝に立ち、哀悼の誠を捧げた。
続いて、新宗連加盟教団の青年を代表し、解脱会青年本部九州ブロック議長の男性が「平和へのメッセージ」を発表した。男性は、3歳で終戦を迎えた祖母の体験に耳を傾けたエピソードを述懐。戦後の混沌(こんとん)とした時代の中、人々が助け合い、調和の心を大切にしたことで日本が復興し、現在の平和があると実感したと語り、「常に慈しみの心を忘れず、家庭の平和から、国の平和、世界の平和へとつなげていく」と決意を述べた。
この後、参加者全員で「平和の祈り」(黙とう)を捧げた。
最後に、石倉寿一新宗連理事長(大慧會教団会長)の「新宗連代表挨拶」を本山一博同理事(玉光神社宮司)が代読した。この中で石倉理事長は、同式典で加盟教団が各自の儀礼儀式に沿って祈りを捧げることは、新宗連が結成以来掲げてきた「信教の自由」の尊重であり、昨今、国内外で強く求められている「多様性」の表現と実践でもあると強調。これらは、今なお続く戦争や紛争、不信や対立を抑止して、平和へと導くために欠かせないものと示し、「世界平和の実現に向かって、すべての戦争犠牲者追悼とともに、長年育んできた多様性の文化もしっかり継承し、実践」することを誓願した。