大聖堂、各地で慰霊式典・平和の集い
【長崎】
長崎県宗教者懇話会(長崎、佐世保、諫早教会が加盟)主催の「宗教者による世界平和を願う対話交流の集い」が7日夕、長崎市の催事場で行われ、国内外の宗教者約60人が参加。米国サンタフェ大司教区のジョン・ウェスター大司教が基調発題した。ウェスター大司教は、核兵器は人類最大の脅威と指摘し「核廃絶は生命を尊重していくために解決しなければならない課題」と強調。宗教者が手を携え、核廃絶を訴えていくことが急務と述べた。この後、ウクライナ正教会のポール・コロルーク司祭が登壇。「奇跡的な復興を成し遂げた長崎から、ウクライナに力とメッセージを送ってほしい」と願った。
翌8日、「第51回原爆殉難者慰霊祭」(主催・同懇話会/主管・長崎県明るい社会づくり運動推進協議会)が長崎カトリックセンターで行われ、荒天の中、加盟教団の会員をはじめ諸宗教者、市民ら約450人が足を運んだ。9日には、長崎教会で「原爆犠牲者慰霊法要」が営まれた。
【広島】
「原爆の日」の6日、教会道場で「広島原爆殉難犠牲者慰霊供養」を実施。戦前の「軍都」広島の歴史や原爆の悲惨さを伝える映像、14歳で被爆した『岡ヨシエさんの伝承講話』がインターネットで配信された。原章雄教会長が挨拶に立ち、戦争犠牲者への共感、日常への感謝、平和を志す誓願を大切にしてほしいと会員に呼びかけた。
【沖縄】
15日、沖縄教会が加盟する「沖縄宗教者の会」主催の「第31回祈りと平和の集い」が糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂で開かれた。加盟教団の信者、来賓ら131人が出席。式典では「平和への祈り」として沖縄県神社庁による神事を奉納。この後、玉城デニー知事から寄せられたメッセージが読み上げられた。
この中で、玉城知事はロシアのウクライナ侵攻に触れ、無辜(むこ)の市民の生命や日常が奪われる状況は、多くの一般人を巻き込んだ沖縄戦を想起させるものであり、早期の平和実現を願わずにはいられないと強調。県では、多様な平和推進事業を通して沖縄戦の歴史的教訓を次世代に継承し、平和を希求する「沖縄のこころ」を世界に発信したいと語った。