佼成カウンセリング研究所 「第23期カウンセラー養成講座」卒業式 野島九州大名誉教授が講演

記念講演を行った野島氏は、卒業生に「カウンセラーは生涯、研修が必要」と語り、今後の活躍に期待を寄せた

佼成カウンセリング研究所による「第23期カウンセラー養成講座」の卒業式が7月9日、立正佼成会法輪閣(東京・杉並区)で開催された。当日は、東京、大阪の両会場でカウンセラー資格取得のための講座を修了した65人(東京38人、大阪27人)が一堂に会し、卒業証書を手にした。

同講座の第23期は2018年に開講。受講生は、ワークショップや講義を中心とした「基礎課程」を経て、専門家の指導のもとカウンセリングへの理解を深める「養成課程」に臨んだ。本来は一昨年に修了予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大による休講を挟み、延期されていた。

卒業式では、取手教会女性会員(58)が『5年間を振り返って』、倉敷教会女性会員(49)が『これからも知り続ける自分』と題して発表。それぞれが講師や仲間と触れ合う中で、自身が抱えてきた人間関係の悩みと向き合えたことで得た気づきや、相手の感情をあるがままに受け入れる大切さを学んだ体験を語った。

中村記子習学部部長のあいさつに続いて、『佼成カウンセラーへの期待~実践と研修の継続~』をテーマに、一般社団法人全日本カウンセリング協議会理事長の野島一彦九州大学名誉教授が記念講演を行った。

この中で野島氏は、人々の心の問題は、少年期から老年期までさまざまに生じるため、カウンセリングのニーズは高いと説明。卒業生には、学校や相談所のみならず、職場や家庭といった日常場面でも、他者の悩みに耳を傾ける実践を継続してほしいと期待を寄せた。

さらに、「カウンセラーは生涯、研修が必要です。卒業はゴールではなく、これから実践していくという意味で、新たなスタートラインに立つことです」と述べ、卒業生を激励した。

式の最後には、卒業生65人の思いを乗せた謝辞が読み上げられた

この後、同研究所の吉田容子所長から、卒業生代表の大垣教会男性会員(67)、神戸教会女性会員(67)に卒業証書が手渡された。

最後に謝辞に立った大田教会女性会員(61)は、「学びを生かし、そばにいるだけで安心してもらえる人になりたい」と抱負を語った。