「青年の日」各地で学習会 社会問題など共に考える契機に
福知山 憲法と平和な社会づくり学ぶ 「はじめの第一歩」共に刻む
立正佼成会福知山教会の青年部では、数年前の「青年の日」の取り組みとして日本国憲法と平和に関する学習会を企画した。しかし、コロナ禍の影響や、「持続可能な開発目標」(SDGs)の重要性から、環境問題を主眼に置いたごみのリサイクルに関する活動などを優先して行ってきた。
そうした中、今年3月末、「青年の日」に向けた会議を実施。青年部員から憲法の内容や歴史を学び、平和な社会づくりの担い手としての自覚を高めたいとの声が改めて上がった。そこで、青年総務の男性(45)ら青年部員十数人で地元にある芦田均記念館を見学した。
同館は、福知山市出身で第47代内閣総理大臣を務め、日本国憲法の条文作成に携わった芦田氏の功績を顕彰する施設。昨今の世界情勢も踏まえ、平和と憲法を考える学習会を再び企画した。
20日、『へいわってどんなこと?~私のはじめの第一歩』と題し、教会道場で平和学習会を開催。青年部員を中心に会員21人が参加した。
当日は、日本国憲法の平和の精神を表す前文と9条を分かりやすくかみ砕いた絵本『井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法』(著・井上ひさし/絵・いわさきちひろ、講談社刊)の紹介動画を視聴後、京都府議会議員の武田みつき氏を講師に招き、平和な社会づくりについて学習。憲法改正の是非や若者の政治参画、外交によって他国と友好関係を結ぶ努力の必要性などについて意見を交換した。
この後、参加者はメッセージカードに、平和な未来の実現に向けた個人の目標を記入。「言葉を尽くし、相手を知る努力をしていきたい」「穏やかな話し方を心がけます」などと書き込みながら、暴力ではなく、話し合いによって物事を解決する社会を目指そうと誓い合った。
青年女子部長(28)は、「日本が他国と敵対せず仲良くするためにも、私自身がもっと日頃から政治や世界情勢などに関心を持たなければ」と話した。
青年総務は、「主権者である私たち国民の権利が不当に制限されないよう、国や地方自治体の公権力を縛るのが憲法の役割ですが、昨今の憲法改正論議では、国民というよりも政治家が主導している印象を受けます。私たちも政治への関心を高めなければと思います。そして、世界平和の達成に努める“大河の一滴”として、政府が進める憲法改正が実現すると日本がどうなるのか、条文に記された平和に関する内容を失わないためにはどうしたらよいかなどについて、今後も皆で考えていきたいです」と語った。