常に物事を学んでいく姿勢が 庭野会長「釈迦牟尼仏ご命日(布薩の日)」式典で法話
立正佼成会の「釈迦牟尼仏ご命日(布薩=ふさつ=の日)」式典が1月15日、大聖堂(東京・杉並区)で行われ、庭野日鑛会長が法話に立った。全国の会員が新型コロナウイルスの感染防止策を施して参加したほか、式典の模様がインターネットでライブ配信(会員限定)された。
式典では、庭野光祥次代会長を導師に読経供養が行われ、所沢教会支部長(46)が体験説法に立った。
支部長は、今回の説法を引き受けた際、夫から「なぜ決める前に相談しない」と苦言を呈され、応援してくれないことに不満を抱いたと吐露。小野恭代教会長に「相手の気持ちに近づくには自分の気持ちを伝えること」と諭され、互いに本音をぶつける中、何事も一人で頑張りがちな自分を心配し、助けようとしていた夫の優しさに気づけたことを発表した。「主人に力を借りながら、夫婦で支え合っていきたい」と誓願した。
また、現在はコロナ禍で時間に余裕ができた分、これまで以上に支部のサンガ(教えの仲間)と触れ合い、一人ひとりの思いを聞くことに努めていると報告。教えに沿った生き方ができる環境に感謝し、「ありのままの私で、人さまの笑顔と涙に寄り添いたい」と決意を語った。
法話に立った庭野会長は、人間が心を磨き続けるには常に物事を学んでいく姿勢が不可欠と述べ、「日本の教育の原点」である江戸時代の寺子屋や松下村塾について説明。成績を競い合い優劣をつける現代の学校教育を改め、社会に出る子供たちを思いやり、一人ひとりの長所を探して伸ばすような教育の在り方に立ち返る大切さを示した。
また、信仰の道を歩む中では、苦しい出来事が起きても「不幸」や「悲劇」と思い込まず、仏が自分を磨くために与えてくれたものだと受けとめる心持ちが重要だと説示。「私たちの魂の成長にとっては、目の前の現象をどう捉えるかが大事になる」と強調した。
さらに、人間は「一つの小宇宙」といわれ、宇宙と同様に常に創造変化する存在だと語り、歳(とし)を重ねても世のため、人のために活動し、健康を保つ重要性を紹介。その上で、「少しでも何か元気になるようなことを探しながら、お互いに元気で生き生きと精進をしてまいりたい」と話した。