佼成学園高校野球部対象に 黒江氏迎え講演会

身振り手振りを交えて投球フォームやバットの振り方を熱弁する黒江氏。野球部員たちも身を乗り出して聞き入る

夏の甲子園出場を目指す佼成学園高校野球部を対象に、5月31日、プロ野球の読売巨人軍で9年連続セ・リーグ優勝、日本一を成し遂げた「V9」メンバーの黒江透修氏を招き、講演会が開催された(立正佼成会学林光澍グループ主催)。会場となった東京・杉並区の大聖ホールには同野球部の部員代表10人が参集。会場に来られない部員、保護者ら約150人がウェブ会議システムを使って参加した。

講演会は、黒江氏から佼成球団の伝統を学んで心技体を磨くとともに、人々に感動を与える“佼成球児”としての自覚を深め、甲子園出場への士気を高めることが目的。

当日は、本会練馬教会佼成野球部の監督経験を持つ政二潔・練馬明るい社会づくりの会事務局長をインタビュアーに、対談形式で行われた。この中で、政二氏の「野球人生で大事にしてきたこと」という質問に対し、黒江氏は幼少時に家業の精米を手伝った際、誤って指の先を失った過去を披歴。それでも野球への思いを捨てずに自分を信じて練習に打ち込んだ結果、短い指をカバーした投球フォームなど独自の工夫が生まれ、プロ野球選手になれたと語り、諦めずに前を向き続ける重要さを熱弁した。

第二部では質疑応答が行われた。野球部員(オンライン参加を含む)からは、バットの振り方といった技術面や、調子の上げ方といったメンタル面までさまざまな質問が出された。この中で、一番バッターを務めるAさん(3年)は、「野球人生の中で一番悔しかったこと」と質問。これに対して黒江氏は、「野球は悔しいことだらけ。だからこそ、絶対にマイナス思考にならないことが大事です。くよくよしないためにも、“今この時”に集中できる精神力を、日頃の地道な練習を通して身につけていってほしい」と話し、部員たちを激励した。